LCA(Life Cycle Assessment)とは

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは、その製品に関る資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通して、投入資源あるいは排出環境負荷およびそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的、客観的に評価する方法です。

なぜLCAを調査するのか

平成14年度から、環境省リサイクル推進室事業として「飲料容器を対象としたLCA基礎調査」が実施されています。容器包装類のリサイクルを進めるにあたり、各種容器の環境負荷の実態と課題の把握、環境負荷の低減につながる容器の利用拡大に向けた施策のあり方を検討することを目的としています。スチール缶リサイクル協会では、環境省LCA検討事業に参画しており、協会内に「スチール缶LCA検討委員会」を設立し、データ収集や分析などに取り組んできました。

スチール缶のライフサイクル・イベントリー(LCI※) 分析

スチール缶のライフサイクルでは、原料製造行程として、(1)缶胴のブリキ、(2)缶蓋のアルミ、(3)缶のラミネート加工用の樹脂、の3つから構成されます。さらに、製缶行程、輸送、廃棄工程などがあります。エネルギー消費量でいうと、原料製造が全体のおよそ75%を占めています。

スチール缶の場合、リサイクルが進み回収率が向上することにより、エネルギー消費量とCO2排出量が低下し、特に廃棄物の排出量の削減効果が大きいことがわかりました。回収率0%と100%を比較すると、廃棄物排出量が85%以上低減されます。

※LCI・・・LCA手法の一つで、投入される資源やエネルギー(インプット)と、生産あるいは排出される製品・排出物(アウトプット)データを収集し、環境負荷項目に関する出入力明細表を作成すること。

今後に向けて

LCIの算出結果を見ると、缶胴用鋼板製造とアルミ蓋用新地金製造の環境負荷が高いことがわかります。特に、アルミ蓋は重量が少ない割に多くのエネルギーがかかっていることから、今後は缶蓋のスチール素材への変更などが、環境負荷低減に向けての方策の1つと考えられます。

スチール缶一貫LCIデータ算出結果 (一缶あたり)

  エネルギー (MJ) CO2 (kg-CO2)
缶胴用鋼板製造 0.58175 0.04628
缶胴製造 0.13828 0.00613
PET樹脂製造 0.03928 0.00210
PETフィルム製造 0.02955 0.00160
アルミ蓋用新地金製造 0.54938 0.03423
アルミ蓋用再生地金製造 0.00445 0.00028
アルミ蓋用板製造 0.09824 0.00457
アルミ蓋製造 0.03127 0.00133
中間処理・最終処分 0.00733 0.00028
輸送 0.04539 0.00308
外装材 0.22811 0.01245

ライフサイクル合計 1.75302 0.10873
リサイクル代替値(電炉鋼) -0.38573 -0.02782
差し引き後 1.36729 0.08091
注1:
データは2ピースラミネート陽圧缶(350ml)の場合
注2:
2ピース缶とは缶の胴と底の部分を1枚の缶材でつくり、缶蓋との2つの部分から出来ているもの
注3:
陽圧缶とは、内側から炭酸ガスのガス圧がかかるもので、炭酸系の飲料に使われるが、窒素充填などを施すことによって非炭酸飲料にも広く用いられている缶
注4:
リサイクル代替値とは、再生原料が元の容器の原材料として利用されるのではなく、他の製品の原材料として利用される場合があるため、その分の天然資源使用の抑制の影響を差し引くもの。スチール缶の場合は、電炉鋼が粗鋼を代替えすると想定して算出している。