あなたがドクターになって処方箋を書いてください

“環境カルテ”とは、散乱ごみのない美しい街を実現するためには「何が問題なのか」「何をすべきなのか」を住民同士や行政、企業とパートナーシップを図りながら推進していくための手法の1つです。

カルテづくりはまず、作成者自身がドクターになって、「どこに、どんなごみが、どれだけ散乱しているか」という視点で、街の健康度をチェックすることからスタートします。地図を片手に商店街や公園、道路沿い、河川敷など街を歩いて、その地点毎にペットボトル、あき缶、あきビン、紙くず、ビニール袋、タバコ、その他ごみなど、ごみの散乱状況を調べます。その際、タバコ・缶飲料などの自動販売機と回収容器(クリーンボックス)の設置状況も合わせてチェックすると、より詳しく街のごみ散乱傾向を知ることができます。

このように“まち歩き”で得た情報をもとに、いよいよカルテを作成します。調査の結果、場所によってごみの散乱状況の違いが浮き彫りとなって、ポイ捨てする人間心理まで垣間見ることもできます。例えば、「幹線道路の中央分離帯やガードレールにはあき缶などのポイ捨てが目立つのに、住宅が密集する生活道路では少ないのは、やはり隣近所の手前があるから?」「自動販売機から数十メートル先には、あき缶が必ずポイ捨てされているのは、きっとそこで飲み終わったからだ!」というように。「ここはおかしいのでは?」「これは何だ?」といった疑問、「ああしたい」「こうしたい」といった希望や夢など、次々カルテに書き込んでいくことによって、散乱ごみのない美しい街をつくるためには「誰が、何をすればいいか、何ができるか」という処方箋がきっと見つかるはずです。地球環境について、あなたも身近な問題から体験してみませんか。

“環境カルテ”はこんなふうに使われている

●長崎県南串山町の小・中学校生徒による「環境美化実践講座」
長崎県主催の「環境美化実践講座」を受講した南串山町職員の呼びかけのもと、地元の小・中学校生徒が街のごみ散乱状況を調査して“環境カルテ”をつくり、身近な環境問題について体験学習しました。

市民団体「ぎふ環境クラブ」のメンバー

●岐阜市環境基本計画のための市民活動
市民団体「ぎふ環境クラブ」では、作成した“環境カルテ”をベースに、岐阜市の環境基本計画に対して生活者の視点から美しい街づくりを提案しました。

 

世界各地で行われている散乱ごみ調査

●TBG(Tidy Britain Group)
イギリス全土の環境美化を推進する国立エージェンシーのTBGが、P&P(People&Places)プログラムに準じて主要58都市の清潔度水準を定期的に調査し公表しています。

●KAB(Keep America Beautiful)
飲料メーカーや缶メーカーによって設立された全米的な非営利団体KABでは、人間行動科学に基づいた散乱の分析を行うことにより、発生源からごみを出さないようなシステムを研究し、ごみの堆積している地域の状況変化を刻々と写真撮影することによって客観的に測定する調査手法を確立しています。