早稲田大学政治経済学部教授 寄本勝美

非常事態とも言えるごみ問題の現状を考えれば、何としてでもごみを減らさなければならず、私たちはいま経済の回復・発展を目指す一方で、環境・資源問題への取り組みを強めるという困難な課題に立ち向かっていかなければならない。そのためには、発生抑制から最終処分まで廃棄物を適正に処理、減量化し、再利用するというリサイクル社会の発展がさらに望まれている。

今後のリサイクル社会発展において、最も重要な基本的課題の1つに、一般廃棄物をめぐる“主体論”があげられる。

一般廃棄物の処理は自治体が事業主体となっているものの、住民(消費者)にせよ事業者(企業)にせよ、自分が発生の要因を生じさせた廃棄物や、自ら排出する廃棄物に関しては、もともと自分が処理する責任を負っている。

自治体はいわば、住民や事業者の“代行者”として一般廃棄物の処理・再利用を行っているのであって、このような代行によって、廃棄物の発生者ないし排出者が本来有しているはずの自己責任から解かれているわけではない。したがって、自治体に責任があって住民や事業者がそれに協力するという消極的な姿勢ではなく、これを逆転させて、もともと住民や事業者に責任があり、自治体はその代行者であるという認識が必要である。

そういう意味で、JR東日本のような事業者が自らの事業活動において生じた廃棄物を適正に処理、減量化し、再資源化するリサイクルルートの構築は大いに評価できる。JR東日本に対しては、これからも私たちの快適な旅を支える環境にやさしい事業展開を期待している。(談)