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「STEEL CAN AGE」Vol.5 庄野真代号

MAIN REPORT

Vol.5 庄野真代号
2001年3月発行

循環型社会の構築を目指す
トップランナーたち

消費者・自治体・鉄鋼メーカーのパートナーシップによって
スチール缶はリサイクルされている

あき缶は散乱ごみや使い捨ての象徴、そしてごみ減量・資源化のわかりやすい事例として、1970年代から議論の対象となってきた。その結果、いまではスチール缶は、「消費者によるポイ捨て散乱防止・分別排出」「自治体による分別収集・資源化処理」「鉄鋼メーカーにおける再利用」という三位一体となったパートナーシップがしっかりと築かれ、1999年82.9%という世界最高水準のリサイクル率を達成している。
今回のMAIN REPORTでは、スチール缶の散乱防止・リサイクルの推進との関わりが深い[美化][分別][再生]という視点で、循環型社会の構築を目指すトップランナーたちの取り組みを紹介する。

CASE STUDY1 [美化]

モラルまでは拾えない
自分のごみは自分で持ち帰ろう
六甲山美化協力会

兵庫県勤労者山岳連盟クリーンハイク
兵庫県勤労者山岳連盟クリーンハイク
六甲山の自然を守りたい
1973年3月、一登山者から兵庫県の六甲山谷間に大量の不法投棄があるとの連絡が、神戸市役所に入った。神戸市はその年の5月、不法投棄を告発するために実態を調査したところ、大部分は他府県からの観光客が捨てたごみで、そのほとんどがあき缶であった。

六甲山は東の軽井沢とならぶアーバンリゾート地として人気を集め、年間1,000万人を超える観光客が押し寄せる。それだけにポイ捨てされたあき缶は大量で深刻であった。

六甲山の自然を守りたい。あき缶問題を通して、地元住民の心にこんな想いが芽生えた。緑の木々に覆われた自然の宝庫いっぱいの六甲山も、実は明治時代中期まで禿げ山だったのだ。それは江戸時代、燃料材として樹木を根こそぎ採り尽くしてしまったためであった。植物学者の牧野富太郎は1881(明治14)年、故郷の高知から船で上京する途中、神戸港に入港した際に見た六甲山の様子を次のように書いている。

「私は瀬戸内海の海上から六甲山の禿山を見てびっくりした。はじめは雪が積もっているのかと思った」(『牧野富太郎選集 I 』より)

いまの六甲山の美しい自然は、1,000万本を超える植林によって、100年の歳月をかけて取り戻したものであった。その六甲山を今度はごみの山にしたくない。1976年4月六甲山美化協力会の設立には、こうした住民の切実な想いが背景にあった。

24年間で1,291万本のスチール缶を回収再資源化
六甲山美化協力会は、六甲山自治会と地元有志企業、神戸市が運営主体となって、会員の会費で清掃活動事業や啓発活動事業を展開している。現在、会員数は139団体、会長は六甲山自治会の久万俊二郎会長(阪神電気鉄道代表取締役会長)、事務局は神戸市環境局が務めている。また顧問の一員として、あき缶処理対策協会は協力会の活動をサポートしている。

ここで協力会の活動を紹介しよう。

まず清掃活動事業については、散乱ごみを回収する環境美化作業、回収用コンテナ更新などの回収場所整備、回収したごみの再資源化作業を行っている。なかでも、回収再資源化作業では、六甲山の37カ所に106台の回収用コンテナ(「空き缶専用」47台、「空きビン専用」34台、「ハイカーゴミ専用」21台)を設置し、あき缶やあきビンをリサイクル(「ハイカーゴミ」は神戸市が回収・処理)している。

99年度には、回収作業を101回(あき缶78回、あきビン23回)実施し、表1のような実績をあげている。

表1と表2
※スチール缶は1本あたり50g、アルミ缶は1本あたり20g、あきビンは1本あたり200ml400gと換算

兵庫県勤労者山岳連盟のクリーンハイクを支援
続いて、ボランティア活動支援と美化キャンペーンを軸とした啓発活動事業について紹介しよう。

ボランティア活動支援については、登山グループや関連イベントに対して、ごみ袋やクリーンハイキング地図などを提供している。この支援を積極的に活用し、ボランティアでクリーンハイクを行っている団体がある。兵庫県勤労者山岳連盟だ。

山岳連盟では、78年からほぼ毎月一回のペースで「六甲山からゴミを一掃する運動」を展開。99年12月までに、のべ10万3,207人の参加者たちが登山道を清掃し、33万70kgのごみを収集した。こうした地道な活動は兵庫県からも高く評価され、知事賞を受賞している。これまでの22年間の運動を踏まえて、村上悦朗常任理事は、散乱ごみの問題について次のように提言している。

「初めはごみを背負って1日7往復もしたものですが、いまでは見違えるようにきれいになりました。確実にハイカーのモラルは向上しました。しかし、ドライブウエイや駐車場、休息所では、むしろごみは増えています。クルマからのポイ捨てや相変わらず減らない不法投棄。ごみは確実に都市型化しています。ごみ排出を抑制する法制度の整備や社会構造の変革が急務だと思います」

回収用コンテナと美化啓発パネル
回収用コンテナと美化啓発パネル

“ごみを捨てないでください”から
 “ごみを持ち帰りましょう”へ
さて、話題を協力会の啓発活動事業に戻すと、美化キャンペーンについては2000年度次のような活動を展開している。

7月2日「グルーム祭(夏山びらき)六甲山クリーンハイキング」を開催、およそ2,000人のハイカーたちが登山道の美化とごみ持ち帰りに参加した。また、8月6日には恒例の神戸新聞紙上キャンペーンを実施、10月2日〜31日には神戸市立神戸工業高校3年生が制作した美化啓発パネルを三宮地下街に展示し、六甲山の美化への理解と協力を呼びかけた。

これからの六甲山の環境美化について、協力会事務局の三原隆司局長(神戸市環境局環境政策課長)は、次のように展望し、決意を新たにしている。

「“ごみを捨てないでください”という運動を続けてきた成果として、回収コンテナへの分別排出にご協力いただけるようになりました。しかし、ごみの量は年々増加しています。

そこで、“ごみを持ち帰りましょう”とさらにもう一歩踏み込んだ形で協力を呼びかけています。回収コンテナがなくても、散乱ごみがないという状態が最も理想的ですね。神戸市民の手でつくり上げた六甲山の美しい自然を、大切な財産として、21世紀も守り育てていきたいと考えています」
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