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「STEEL CAN AGE」Vol.6 吉田栄作号

MY ANGLE

Vol.6 吉田栄作号
2001年9月発行

循環型社会をつくる
“愛ことば”
「どうもありがとう。
もう一度会おうね」

生活環境評論家
富士常葉大学環境防災学部助教授
松田 美夜子(まつだ・みやこ)
: PROFILE :
1941年大分県生まれ。国の各種審議会の専門委員を歴任し、ごみ減量リサイクルプロジェクトに参加。「廃棄物処理法」「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」の制定にかかわる。2000年4月富士常葉大学環境防災学部助教授に就く。今年8月『バイ・リサイクルド(Buy Recycled)ー挑戦するアメリカ』(日報)を刊行。このほか『本当のリサイクルがわかる本』(KKベストセラーズ)『ヨーロッパリサイクル事情−ライフスタイルと排出抑制』(日報)など多数の著書がある。

何の気づかいもなく使い捨てしていく暮らしは、人のやさしさや思いやりの心も一緒に捨て去ってしまいます。

21世紀は、私たち一人ひとりが資源を大切にし、環境に負荷をかけないライフスタイルに変えていく気持ちを生かせるようなシステムを形成しなければなりません。これが循環型社会です。私は循環型社会から「ごみ」という言葉がなくなるといいなと思っています。

では、「ごみ」をなくしていくためには、一体どうしたらいいのでしょう。その根幹となる考え方が“3R”です。

ごみになるモノをなるべく持ち込まない“Reduce”。モノの寿命を最大限に生かした使い方をする“Reuse”。そして不要になった場合はリサイクルのルートに乗せる“Recycle”。これが21世紀のキーワードです。

ですから、例えば飲料容器について考えると、究極的には各自が水筒を持参することが、最もベストな選択となります。しかし、多様化した私たちの暮らしの中では、それが必ずしも現実的ではない場合が多々あります。TPOに合わせて、使い分けていく必要があります。その時、リサイクル率の高い容器を選ぶことが、循環型社会に生きる私たちの理想的な行動だと思います。

飲料容器を選ぶ際、すでにリサイクル率が80%を超えているスチール缶は、安心して使える容器だと言えます。スチール缶はきちんと分別排出すればリサイクルされるルートが確立していて、スクラップの受け皿もしっかりしている。再生される時も、環境負荷の少ないプロセスでつくられている。そして、再生品の用途がなくなるということもありません。

私はスチール缶リサイクル協会が長年、スチール缶の資源化やポイ捨て散乱防止に関して啓蒙活動を展開されてきた歴史を、非常に高く評価しています。この歴史があったからこそ、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法が誕生し、循環型社会へと歩むことができたと言えます。スチール缶はまさにリサイクルのパイオニアであり、優等生なのです。

現在、スチール缶は自治体での分別収集はもちろんのこと、鉄道の駅や高速道路のパーキングエリアなど、どこでも回収されています。でも、クリーンボックスの中をよーくのぞいてみると、まだまだ分別の仕方が不十分で汚れているものがあります。それは「どうもありがとう。また会おうね」という気持ちが希薄だからだと思います。

あき缶をどうするか。その人の人間性が現れます。中味を空にして洗ってから分別排出するのか、それともタバコの吸い殻を入れてポイ捨てしてしまうのか。

あき缶の分別排出は、歯を磨くのと同じで身だしなみです。みなさん、分別排出の際は「どうもありがとう。もう一度会おうね」とやさしくさよならしてください。それが21世紀の循環型社会をつくる“愛ことば”です。(談)
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