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「STEEL CAN AGE」Vol.8 浅井愼平号

MY ANGLE

Vol.8 浅井愼平号
2002年9月発行

子供たちの自然体験が、
自然を愛し大事にする
心を育てます。

前田成子さん
フライブルク市
経済観光公社
日本窓口・
環境コーデイネーター
前田成子さん

ドイツの環境都市と言われるフライブルク市の委託窓口(アジア・日本業務)。学習院大学英文科を卒業し、フライブルク市在住29年。主に、環境コーデイネーター・通訳として活躍。最近では、ドイツ政府観光局やドイツ古都連盟との協賛で、フライブルク市だけでなく、ドイツ各地の環境情報をも日本に紹介している。長年に渡り、ドイツ・日本の環境保全を比較できる立場で見続けてきた専門的な目を通し、また、3人の子を持つ母親としての生活経験を活かし、数々の講演やシンポジウムでも活躍。各業界紙への執筆も多い。

赤や黄色のレインコートを着た、15人程の幼稚園児がハーブ庭園でにぎやかに遊んでいます。ドイツ・フライブルクのエコステーション・教育センターの光景です。

雨がやんで、フライブルクらしい明るい日差しの中で、色鮮やかなコスモスや夏の花がいつもより身近に感じられます。子供たちはインストラクターの話に耳を傾けながら、コンポストの中のミミズや小さな生物を興味津々に目をきらきらさせながら見ています。

「ミミズが土の中で食べられないものは何でしょう」と先生は話しています。しばらくすると、その中の3人がミミズを描いた絵を見せに来てくれました。とても可愛いミミズの絵でした。中にはミミズが土の中にいて、自分も地上にいて花や木も自分の周りの環境として描いているものもありました。子供たちにとって、ミミズは土壌の循環システムを助けてくれる友達です。

日本の環境視察団に同行する中で、こうした楽しい光景に出会うと最近は特に、こうした子供たちの自然体験の中にこそ、これからの環境問題に対する大事な解答があるのではないかと考えさせられます。

視察の現場では、ごみ・リサイクル・埋立て・焼却炉・デポジット・ワンウェイなど、さまざまなドイツ語と日本語の言葉が飛び交い、討論されます。そしてドイツも日本も、環境を視点においた長期的展望で社会システムを構築していくことが基本であることが重要とされます。

フライブルクでは環境負担やコスト負担の理由で焼却炉を持たず、埋立て量を減らす政策に成功してきました。それは、ごみの発生を抑え、リサイクルの流れを社会システムとして整備したからです。

町の大聖堂広場の朝市は色とりどりの野菜や果物・花などが、農家の直売として並ぶ楽しい買い物広場です。その焼きソーセージスタンドでは、ワンウェイビンは許可されません。デポジット料金をプラスして支払い、後で戻してもらいます。このシステムは公用の行事全てに決められているものです。

2万人の観衆の出るプロサッカースタジアムも、クリスマスマーケットも、ワイン祭りもしかり。なんと多くの人がこの体験をしていくことでしょう。

ただアイディアや規制も1つの方法ですが、フライブルクの人々はなぜごみを少なくするべきかということを小さな子供にわからせることが、非常に大事であると考えています。“自然の素晴らしさや、美しさへの感激” 例えば、コンポストの中に虫を見つけたり、花の香りを体一杯吸って気持ち良くなったり、そうした体験が自然を愛し、大事にしたいという人間作りの原点であるということです。
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