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「STEEL CAN AGE」Vol.10 吉田秀彦号

STEEL CAN HISTORY

Vol.10 吉田秀彦号
2003年8月発行

■ 材料技術の挑戦(3)

ーLCAの高評価を支える、成熟した“鉄”の循環と諸技術

「容器包装リサイクル法」が、飲料缶などを対象に施行されてすでに6年が経つ。いま確実にリサイクルに対する意識が高まる中で、飲料製造、流通、消費を除く、資源採掘・採取から廃棄・リサイクルまでの工程を対象に(図1)、資源・用水・エネルギーの消費と、廃棄物・有害物質の排出などの地球環境に対する負荷を総合的に評価するLCA基礎調査をスチール缶業界として行った。その中で、スチール缶スクラップは、缶としてのリサイクルのみならず、鉄鋼材料全体の循環の中で鉄源として利用されている点を特に高く評価している。シリーズ「材料技術の挑戦」の最終回では、スチール缶のLCA評価が高い理由を、素材としての特性、技術の観点から紹介する。
図1

完全に生まれ変わる“鉄”
 ー100%マテリアルリサイクル
スチール缶に用いられる鉄の素材は、自動車や建材などと同じ炭素鋼(鉄と炭素からなる鋼)だ。特に、スチール缶に使用される鋼(はがね)は不純物が少なく清浄度が高い。そのスチール缶を鋼材として再生させるとき、硬い、軟らかいなどの鋼材特性を付与する精錬段階で、1,650℃にも及ぶ高温下で酸素を吹き込んで溶解する。その際に、たとえ他の金属などの不純物が多少混入しても、ほとんどは酸化・除去されて、ピュアな鋼だけが残る。

つまり、スチール缶は“何度使っても再び何にでも生まれ変わる”100%マテリアルリサイクルできる材料なのだ。いまスチール缶リサイクルの大半は、小ロットの多品種生産に適している電炉の鉄源となるが、よく「スチール缶スクラップを電炉で精錬すると製品としての鉄の品質が落ちるのでは」という話を聞く。しかしそれは用途に合わせた製品が生産されているだけであり、間違いだ。さらに、電炉でつくられた鋼を次のサイクルで転炉原料として用いることで、再びスチール缶用の鉄鋼製品として生まれ変わることができる。

こうして、スチール缶からリサイクルされた鉄は、スチール缶に戻るだけでなく、品質要求の高い自動車用鋼板等に姿を変えることも可能だ。全国に81ヵ所もある製鉄工場(電炉、高炉、鋳物工場)では、年間でレインボーブリッジ20本分のスチール缶スクラップが、貴重な鉄源としてさまざまな鉄鋼製品に形を変え、再び世の中で活躍している。このように、鉄鋼材料全体の循環の中でリサイクルされていることが、スチール缶の強みだ。

86.1%の高いリサイクル率
 ー支えた設備技術のエポックメイク
写真2資源としての“鉄”の大きな循環があるからこそ、いまスチール缶のリサイクル率は86.1%(実態リサイクル率92.9%)という高い実績を誇っている。しかし、不明のスチール缶が大量に埋め立てされた事実がない中で、残り約14%のスチール缶(132千トン)はどこに行ったのだろうか。原因の一つは、不燃ゴミなどから磁力選別されるときに、その他の鉄スクラップ(シュレッダー屑)に含まれてしまうことにある。例えば、磁力による選別が容易であることから、不燃物としてスチール缶を収集している福岡市の場合は、破砕した不燃ゴミから得られた鉄について、「その他の鉄スクラップ」として扱うケースがある。缶スクラップではない他規格に混入したものは、スチール缶のリサイクル量として換算されないのだ(写真2)。全国でこのようなケースが100千トンオーダーで存在すると推定されることから、実際は90%以上(92.9%と推定)がリサイクルされているという見方もある。
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