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「STEEL CAN AGE」Vol.11 東ちづる号

MY ANGLE

Vol.11 東ちづる号
2004年2月発行

EPR(拡大製造者責任)と
スチール缶リサイクル

神戸大学大学院経済学研究科教授 石川雅紀氏
神戸大学大学院経済学研究科教授

石川 雅紀氏
今回のMY ANGLEでは、去る2003年10月23日に開催された協会30周年記念講演会において、EPRの概念と今後の進むべき方向、そしてスチール缶リサイクルへの評価について言及された石川雅紀氏の講演内容をご紹介する。
EPRが目指すものと評価の視点 EPR(拡大製造者責任)が目指すものは、「社会的厚生の最大化」である。制度を変えた時、必ず得する人と損する人が出てくるが、幸せを社会全体で増やす事が必要条件で、損をする人には適切に補償することによって誰も損をせず、社会全体で良くなろうと目指すことが望ましい。この問題を具体的にブレークダウンすると、その概念は「維持可能性」になるだろう。

環境問題がクローズアップされる中で、ローマクラブのレポートから「宇宙船地球号」という説得力のあるイメージが生まれた。そうしたイメージが共有化されていなかった1960年代以前には、4大公害訴訟があり、汚染物質を排出した大企業がつぶれるような出来事もあった。現在では、そうした事故や犯罪といった単純な事象ではなく、日常的な生活の中で汚染が進むといった危機感が共有化されている。その典型例が地球温暖化だ。問題点が変われば対策も変わる。その手段として、製造現場だけでなく、製造から消費までの全ての段階に視点をおいたライフサイクル分析が注目されてきた。有限な資源を子孫の時代に残そうという説得力のある話が、政治的な力となり世界を動かしている。

EPRの視点には、まず環境問題などの「非市場的視点」がある。中でも現実的な議論になりやすいのは「廃棄物」の問題で、短期的視点では「埋立地の逼迫」や「産廃の違法投棄」が社会問題になっている。そしてもう一つは「汚染物質の排出」だ。ごみ処理における地下水汚染やダイオキシン対策が目前の問題として顕在化してきた。

では長期的視点ではどうか。維持可能性の観点からは、埋立量の削減ではなく、有限資源の枯渇が懸念される。しかし、特定資源が少なくなれば価格が上がり他素材への代替、もしくはリサイクルが進むため、現在の議論は少々悲観的すぎる気がする。また環境汚染に関しては、長期的にはライフサイクルにおける環境汚染物質全体の削減を進めなければならない。

一方、「経済的視点」では、良し悪しは別として分別収集をすれば当然コストが上がる。しかし、市民からは手間をかけたぶんゴミ処理費用は下がって当然だという意見がある。こうした認識のズレが、各政策成立のバックグラウンドにある。

また、産廃の適正処分も経済的に重要なテーマだ。長期的に見た場合は、公共部門だけでなく、大量消費・廃棄社会からの転換という意味で、物量の需要を下げる必要がある。例えば、長寿命の耐久消費財をメンテナンスしながら使う社会の方が、トータルとして経済的にも環境的にも良いと思われる。ゴミ処理の社会的費用を削減する長期的視点には、製品そのものを変えることまでが含まれるだろう。
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