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「STEEL CAN AGE」Vol.12 石原良純号

STEEL CAN HISTORY

Vol.12 石原良純号
2004年7月発行

■ デザインへの挑戦(2)    飲料缶の形状の歩み

〜鋼板技術と成形技術の進化で多様な可能性広がる「異形缶」〜

飲料缶の世界では新商品が1年後まで生き残る生存率は“1千分の1”と言われるほど厳しく、中身の味・嗜好性はもちろんのこと、デザイン面を含めてより一層の差別化をめざして“商品開発競争”が熾烈さを増している。デザイン面では缶の外面への印刷技術の進化を背景に、差別化の次の手法として「形状」が重要なポイントとなってきている。そこで「デザインへの挑戦」の第2回目では、飲料缶の形状の歩みとして「異形缶」についてご紹介する。
画一的円筒形から多様な異形化に向けて スチール缶に多様な形状を可能にする要素技術は大きく言って2つある。一つは鋼板製造技術であり、もう一つが成形技術である。前者については特に近年の製鋼工程における精錬技術などの進歩に裏付けられた鋼の清浄化によって、缶材料にとって多様な形状加工を可能にする“深絞り性”が高められてきた。後者については設計・加工・機械等の技術の高度化による成形技術の進歩である。

飲料缶には、ふた・胴・底の3つの部分につなぎ目がある「3ピース缶」と、底と胴につなぎ目がない「2ピース缶」があるが、従来はいずれも、円筒形が一般的な形状であった。それが製品の差別化を求めるニーズの高まりを背景に、デザイン面での重要性が高まるに伴い、さまざまな形状が要請されてきている。そうした背景から開発された異形缶は左下の年表に見られるような経緯をたどってきている。以下に、それらのなかから代表的な3つの異形缶をご紹介しよう。

表1/飲料缶にみるおもな異形缶の開発経緯

市販年次 容量 異形缶の種類 代表商品名
昭和58 250ml 樽型缶 ビール(サッポロ)
昭和58 2L 樽型缶 ビール(サントリー)
昭和60 650ml 樽型缶 ビール(サッポロ)
昭和60 190g 多段ネック型缶 コーヒー(カネボウ)、
いも飲料(カゴメ)
昭和62 190g 樽型缶 コーヒー(AGF)
平成 7 190g 樽型缶 コーヒー
(ダイドー キリマンジェロ)
平成 8 190g ラミネートタイプ
樽型缶
コーヒー
(ダイドー プレステージ)
平成11 190g 浮き出し
(エンボス)缶
コーヒー(キリン FIRE)
平成12 190g ウエストウェーブ缶 コーヒー(Roots各種)
平成12 280g ウエストウェーブ缶 コーヒー(Roots各種)
平成13 290g カップ形状缶 コーヒー
(Roots アールカフェカフェラテ)
平成13 190g コップ形状缶 コーヒー
(UCC 炭焼珈琲)
平成14 180g エレガンスカップ缶 コーヒー
(コカ・コーラ ジョージアロイヤルブレンド)
平成14 270g TULC湯飲み型缶 緑茶
(アサヒ飲料 あがり)
平成14 350g 上下3段ネック缶 りんご紅茶・ココア
(ダイドー)
平成16 190g リキャップ缶 コーヒー
(サントリー ボスプレッソ)


異形缶のはじまりに位置する「樽型溶接缶」 〜形状に加えて、ラミネートフィルムへのグラビア印刷で高まるデザイン性〜

図1・「樽型」に加工するために開発された金型 大きな流れを振り返ると、わが国における異形缶の歩みは昭和50年代(1975年以降)以降の容器戦争の激化を背景として、メーカーからの要請に対応して開発した「樽型溶接缶」からはじまった。その形状を可能にしたのが缶の胴部分を拡げるための扇状の金型(右図)の開発だ。

この金型を円筒形の缶の中に入れ、樽型に拡げる技術が確立されて新製品が市販されはじめたのは昭和58年(1983年)の3月で当初はビール向けであった。 その後、コーヒー向けの樽缶が開発されるに至り、平成に入って以降も同製品は販売が継続された。さらに大きな転機を迎えたのが平成8年(1996年)に開発された樽缶であった。当時の開発に際して特記されるのは、缶の外面に印刷技術の進化を取り込んでグラビア印刷が可能となったポリエステルフィルムをラミネートする方式が採用されたことである。これによって印刷効果を格段に高め、差別化を図る上で大きな前進を可能にした製品であった。以後、この「ラミネート樽缶」は飲料メーカー各社で幅広く採用されて今日に至っている。
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