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「STEEL CAN AGE」Vol.12 石原良純号

Vol.12 石原良純号
2004年7月発行

海の底にあき缶が沈んでいると、
自然もかわいそうだし、缶も悲しそうに見えるんです。

石原良純(俳優・気象予報士)

俳優の僕が、なぜウェザーキャスターをやっているかと言うと、「空や天気の楽しさ」をみんなに知ってもらいたいと思ったからです。楽しさを伝えるために、まず空を見上げてもらう。例えば、なぜ、そこに雲が浮かんでいるのだろうって考えながら、空を見るだけで楽しくなります。空はどこにでもあるし、都会にいながらでも、遠くが見通せます。空や天気は、大自然の中にいることを実感させてくれる、一番近い接点だと思うのです。

石原良純さん 最近、気象データを見ていると、「あれっ?」と思うことがあります。最高気温が平年を大きく上回るとか、この時期にはない大雨が降るとか、ちょっとリズムが狂ってきている。年々全体的に気温が上がり、地球温暖化が確実に進行していると実感するのです。地球温暖化の主な原因は、化石燃料から発生する二酸化炭素の温室効果によるものです。

人間は、何億年もかけて作られた地球の恵みを、産業革命以来たったの二〇〇年で使い、このままではあと数百年で使いきってしまう。「何億年イコール何百年」にはなりません。何らかの弊害が出てきて当然です。その一つが地球温暖化であり、今後、大量生産・大量廃棄という生活ではなく、人間一人ひとりが身近なところで必要ないものは使わない、使えるものはもう1回使うようなライフスタイルにしていかないと、その弊害はさらに大きくなってしまいます。

いまでは、空や天気の楽しさプラス、天気から見えてくるそうした課題を話すことで、ごみの減量や節電・節水など、一人ひとりに何ができるかということを考えるきっかけにしてもらえたらと思っています。僕自身は、例えばゴルフ場にゴミ袋を持参する、しかもそれを何回も使う。一人ひとりにできることはそんな些細なことなのかもしれませんが、みんなでやれば、大きな結果を生み出せるはずです。

僕は夏、よく海に行きます。ダイビングをしていると、珊瑚が美しい海なのにあき缶が沈んでいることがある。それは美観を損ねるだけでなく、そのあき缶もリサイクルされて新たなモノとして生まれ変わったなら、また、役に立つ。だから、缶もかわいそうだな、本当はここに沈んでいたくないだろうな、と思ってしまうのです。だから気づいた人間がそれを拾って、きちんとリサイクルできるルートにのせる。そうすることで、美しい自然を守れるし、資源も有効に使われていく。一人ひとりがそんな意識を持って生きていく時代になっていくと思うのですが…。(談)
: PROFILE :
1962年神奈川県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、映画『凶弾』でデビュー。舞台『つかこうへい熱海殺人事件』、映画『走れ!イチロー』、TVドラマ『新・愛の嵐』、『ナースのお仕事』など、出演作品多数。96年には気象予報士の資格を取得。現在、フジテレビ『FNNスーパーニュース』でウェザーキャスターを担当。著書『石原家の人びと』(新潮社)はベストセラーに。また、『石原良純のこんなに楽しい気象予報士』(小学館)も話題になる。
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