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「STEEL CAN AGE」Vol.12 石原良純号

MY ANGLE

Vol.12 石原良純号
2004年7月発行

内なる宇宙“生命”を創造した金属−鉄

京都薬科大学教授(薬学博士) 桜井弘氏
京都薬科大学教授(薬学博士)

桜井 弘氏
鉄は体内に含まれる金属(ミネラル)の中で最も多い物質。体重70kgの男性であれば、体内に釘1本分(約4g)の鉄が存在する。今号のMY・ANGLEでは、生物の進化に重要な役割を果たしてきた鉄の機能について、京都薬科大学の桜井教授にお話を伺った。
生物の起源となった鉄 なぜ体内に鉄はあるのでしょう。あくまでも推測ですが、地球が誕生した頃、まだ酸素のない太古の海には多くの鉄が溶けており、そこで生命の起源となる原始的な細胞ができ微生物が生まれました。アミノ酸や糖などの簡単な有機物質の分子が誕生・成長するときに、鉄が有機化合物と結合した「錯体」として機能し、その結果、細胞が自己生成してきたと考えられます。その後、生物は酸素呼吸を始めましたが、その酸素を円滑に使うために、鉄は電子を輸送し酸素を還元してエネルギーに変換する重要な役割も果たしてきました。

突然変異でシアノバクテリアという褐藻類(海藻)が生まれた時、太陽光と炭酸ガス、水から酸素を生み出す光合成が誕生しました。海水中の酸素は増加し、鉄は固体の酸化鉄となって海底に沈殿しました。それが現代文明に欠かせない鉄鋼製品の源である鉄鉱石になったと考えられます。鉄が沈殿した後は、銅やマンガン、亜鉛など他の金属による様々な錯体が生まれ、生物は新たな機能を獲得して進化を遂げたのです。

人体の多様な機能を支える鉄 鉄は「ヘム鉄タンパク質」と「非ヘム鉄タンパク質」などの形態で体内に存在します。ヘム鉄タンパク質とは血液の赤色の原因となる成分です。大きな分子構造で安定して鉄を保持しています。体内鉄の約70%は、このヘム鉄タンパク質であり、その大半がヘモグロビンです。これは酸素呼吸する哺乳動物の象徴であり、血液中で酸素を摂り込んで全身に送る重要な役割を果たしています。

次に、同じヘム鉄タンパク質であるミオグロビンは、ヘモグロビンから酸素を受け取って、筋肉中に酸素を貯えています。また、全身の細胞に存在するヘム鉄酵素は、特に肝臓に多く、例えば細胞内の電子伝達によってエネルギーを生み出す源となります。また、シトクロムP450と呼ばれるヘム鉄タンパク質は、飲んだ薬を肝臓で代謝する重要な役割を持ち、これがないと薬の効果が持続し過ぎて不具合が起こります。一方、非ヘム鉄が含まれる微量の非ヘム鉄酵素は、鉄を体内で輸送・貯蔵するタンパク質で、本質的な触媒機能として不可欠です。さらに、出血してこれらの機能鉄が減少したときには、フェリチンやヘモシデリンの中に貯蔵された鉄が血液中に放出されて、機能鉄として体内に供給されます(図1)。
図1・体内の鉄の含有量
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