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「STEEL CAN AGE」Vol.14 米村でんじろう号

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Vol.14 米村でんじろう号
2005年7月発行
スチール缶1個が世界につながる

WFP国連世界食糧計画の
学校給食プログラム

WFP国連世界食糧計画(以下WFP)は、飢餓撲滅のための食糧援助を行っている国連の唯一かつ最大の機関。主に世界の難民や食糧確保が困難な女性や子ども、お年寄りに援助を実施し、2004年には世界80ヵ国、1億1,300万人に食糧が提供された。飢餓は環境破壊とも密接に関わっており、温暖化による旱魃が飢餓を引き起こしたり、逆に貧困による森林伐採が環境を破壊することもある。スチール缶リサイクル協会は、2004年7月、WFPの活動のひとつである「学校給食プログラム」に、年間のスチール缶リサイクル量に応じた支援の実施を決定。1年目はリサイクル量79.69万トン(2003年度実績)に対し、食糧缶8,000缶相当の金額を寄付した。2005年4月、「学校給食プログラム」が現地で適切に行われているかをブータンに調査に行かれたNPO法人「国連WFP協会(WFPの日本の民間協力窓口)」の北村幸美さんに、ブータンの様子などを伺った。

1日20円。子どもたちに栄養と教育を 子供たち 食糧が十分にない家庭の子どもたちは、空腹のため学校に行っても注意力が散漫になり、学習意欲や能力が低下する。また、農作業や幼い兄弟たちの世話などで学校に通わせてもらえない子どもたちも多い。これを改善する活動が学校給食プログラムである。「子どもたちは1日1回、栄養価の高い食事をとることができ、家族の食費もそれだけ軽減されます。給食をきっかけに就学率もアップしますし、ドロップアウトする生徒の数も減ります」と、北村さんは説明する。実際に今回訪れたブータンの初等教育就学率は約80%に達している。

国連WFP協会の北村さん また、女子教育促進のため、出席率の良い女性生徒に食用油や米などを配給する「持ち帰り食糧プロジェクト」も実施されている。女子の識字率が向上すると処方箋が読めるようになり、出産時や乳幼児の死亡率が圧倒的に下がるという。「単なる食糧支援ではなく教育の機会を拡げることで将来的な自立を促すことにつながります。子どもたちへの食糧援助は、1日1人当たり20円で実施できます」(北村さん)。


食糧支援だけでなく地球環境にも貢献 新しく導入される鉄製のストーブ ブータンではWFPの活動によって調理用の新しい薪ストーブが導入されつつあり、2004年度の日本からの寄付金で30基のストーブが設置された。このストーブは熱効率が良く、今までの半分の量の薪で調理することができCO2の排出抑制にもつながる。さらに煙突を設置するため煙が調理場に充満しなくなった。それまでは、煙のために調理師が目の炎症や呼吸器系障害を起こしたり料理の味が変わることもあったという。

ブータンは国の政策として環境保護と教育を挙げている。新しいストーブの導入は、1校あたりの薪の使用量を年間360トンから180トンに削減し、その浮いた予算でおかずを一品増やしたり、子どもたちにノートを配布するなど、学校の食・教育環境の向上に役立つ。「ブータンの教育省の方から“新しい薪ストーブは森林保護に貢献するとともに、子どもたちにもメリットをもたらす本当に素晴らしい調理器具だ”と非常に感謝されました」と、北村さんは笑顔で話す。

ものを大切にする心を教わる ブータンでのリサイクル 「WFPのあき缶を洗って貯めて、インド国境近くの町で換金して調理器具などを買っているそうです。容器まで最大限に利用されていることにとても感動しました」(北村さん)。ブータンは国土の60%以上の森林を永遠に保護することを決め、道路などの整備も環境を破壊しないように行われている。「土に還らないものはなるべく流通させないとの考えから、買ったものはビニール袋ではなく紙袋に入れてくれますし、ペットボトルのリサイクルも徹底しています。ものがあり余る日本は呼びかけないとリサイクルをしない社会です。限られたもの全てを有効に使い、自然を守ろうとしているブータンには教えられることがたくさんありました」(北村さん)。

スチール缶1個が、世界の飢えを考えるきっかけになる 丈夫なスチール缶当協会は、スチール缶をリサイクルすることが世界の貧しい子どもたちの支援につながることを広く知ってもらうとともに、WFPの活動を日本の子どもたちに紹介し、環境保護や世界の貧困について学んでもらうことも計画している。「1個の缶が世界のどこかで支援につながっていると思えたら素晴らしいですね。日本の食料総廃棄量は約2,000万トン(2004年 農林水産省)、世界に援助されている食糧総量は1,000万トン(2004年 FAO国連食糧農業機関)。日本は世界に援助できる食糧を日々捨てていることになります。身近な缶のリサイクルが、この日本の現状や貧困で苦しんでいる人が世界にはたくさんいることを、思い出したり考えたりするチャンスになってほしいと思います」と、北村さんは当協会の活動を評価する。

ブータン政府は、経済的指標であるGNP(国民総生産)ではなく、「GNH:GrossNational Happiness(国民総幸福)」の追求を掲げている。国王も子どもたちも同じ民族衣装を身にまとい、伝統的な建築様式や文化、助け合いの精神を守るなど、貧困の中でも、民族のアイデンティティや財産をとても大切にしている。
ハンガーマップ 「尊厳と誇りを持って前向きに生きるブータンの人々は人間的にとても豊かでした。援助される側がリスペクトされるべき存在だと心から感じました」と、語る北村さん。大量に作ること、使うこと、捨てることは決して“あたりまえ”ではない。世界や環境に少しでも貢献できる国や人のあり方を北村さんを通じブータンから教えられた。



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