3Rに関する知識を活かして、実践活動を行う人材を育てることを目的とする「3R検定」が、2009年1月11日、京都(龍谷大学)・大阪(大阪産業大学)・東京(上智大学)の3会場で初めて実施された。
これまで体系化されていなかった3Rの知識・実践活動のベースとなる情報がまとめられた公式テキストを学習した受験者が合格すると、「3Rリーダー」として各地域で3Rの発信者として活動することができる。
今回は、3R検定実行委員長の浅利美鈴さんに3R検定について伺った。

実践のベースになる3Rの知識を体系化

持続可能な循環型社会構築のために提言された行動指針である3R(リデュース(廃棄物の発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化))。その意義を十分理解し実践している人はどのくらいいるだろうか?

3R検定実行委員長の浅利美鈴さん(京都大学環境保全センター助教)は3R検定立ち上げの経緯を次のように語る。

「1年半ほど前、石川県立大学の高月紘教授やふろしき研究会代表の森田知都子さんから、ボランティア活動の熱心な参加者の中にも、ふろしきの素材の違いや鉄とアルミの違いがわからない方が意外に多いという話を聞きました。そこである程度の知識を持ってボランティア活動に取り組めるように検定を作ってみてはどうかという提案を受けました。

最初は軽い気持ちでいたのですが、調べてみるとごみや3Rに関する知識、特に体系的に最新情報を網羅した手ごろなテキストがない。そこで、幅広く情報を共有するためには全国的に大きなムーブメントにしなければいけないと思い、京都大学を中心に全国の学識者や廃棄物・環境関連の団体から人と知恵を集め、実行委員会を組織しました」

3R検定は、3Rに関する知識を活かして、実践活動を行う人を育てることが目的。そのためテキストの内容として、生活で活かせるものから専門性の高いものまで実践活動のベースとなる情報を幅広く集めた。協力者の努力もあり、通常1年はかかる試験問題やテキストの作成を半年で実現した。

また、3Rの認知・理解を深めるPR活動として、2008年5月30日(ごみゼロの日)には、京都大学で高島屋の使用済みの懸垂幕(広告用の垂れ幕)を再利用した巨大エコバッグを作成し、京都市長ほか530名がそこに3R宣言を書き込んだ。

3R検定は、合格がスタートライン

3R検定の試験内容は、公式テキストより4択形式の100問で、制限時間は120分。正答率が高レベル(第1回は90点)に達すると「3Rリーダー」に認定される。また、そのラインに届かなかった人も、一定のレベル(70点)に達すると、勉強を続けながら、実践についても一緒に始めてもらうため、「3Rリーダーのたまご」に認定する。

1月に実施した第1回目は1,652人の申し込み者のうち、358人の3Rリーダーと919人の3Rリーダーのたまご、合わせて1,277人の合格者が誕生した。

合格者たちには、地域や職場で習得した知識を活かして行動できるように、以下のプログラムが用意されている。

  • 1.「3Rリーダーズクラブ」に入会可能
    リーダー活動に有用な講習会等のプログラムを無料・格安で受講することができる。
  • 2.3Rリーダーのロゴの使用が可能
    合格者のみ提示できるバッジや名刺用等にロゴマークを入手することができる。昔からの環境にやさしい暮らしぶりをイメージできる鳥獣戯画のモチーフを使ったもの。
  • 3.3Rリーダー・ホットラインにアクセス可能
    リーダー活動の中で生じた疑問や質問、リクエストについて(企業活動における環境への影響についての質問も含む)気軽に専門家の意見を聞くことができる。
  • 4.3Rリーダー・リストに登録
    本人の了承を前提として、HP等でリーダーのリストを紹介し、小学校や自治体、婦人会などから講習依頼などを受ける仕組み。ここからリーダー活動を展開してもらうことも可能。
  • 5.3Rリーダー活動の報告
    HP内に「3Rリーダー活動サイト」を立ち上げ、実践の様子をレポートしていくとともに、各種セミナーでも発表の場を設けるなど、今後発展させていく予定。

「3R検定は人づくり。試験前の講習会で行ったアンケートでは、『早くリーダー同士で交流して活動したい』という意欲的な意見が数多くあがりました。ぜひとも受験した皆さんで3Rリーダーの価値を高めていただきたいと思います。今後環境教育の見直しが進む中で、3Rイニシアティブにおける人材育成のモデルになればと考えています」(浅利さん)。

 

3Rリーダーとともに、活動を進化

2009年3月からは合格者支援プログラムが始動する。

3月6日、第1回合格者を集めて検定の講評や出題のポイントを伝えるとともに、合格者による発表を行うなど、3Rリーダーと実行委員会双方向の情報交換の場となる。

さらに7日には、3R推進団体連絡会と「2009年容器包装3R連携市民セミナーin京都」を開催する。このセミナーでは市民・行政・事業者の連携についてディスカッションすることも予定している。3Rリーダーにとって各主体別の生の声を聞く絶好の機会となるだろう。

今後、3R検定プログラムは、3Rリーダーの活動展開とともに進化させていく予定だという。例えば、参加企業の中から3R検定の流通版を作りたいという話も出ており、また、家庭版やキッズ版などの教育ツールを3Rリーダーと一緒に開発する予定だ。

「3Rをより実践しやすくする新たな枠組みやビジネスの創出、消費者・流通・生産者との連携体制づくりに対して、3Rリーダーがその一翼を担うようになってほしいですね。自治体も企業も大歓迎ですので、ぜひ、3R検定・3Rリーダーという仕組みを活用してください」(浅利さん)。

実行委員会では、さらに世界に向けた情報発信も視野に入れている。

日本が3Rイニシアティブを全面的に打ち出す中、アジアにおいて日本がリーダーとなって3Rを展開していく理念も生まれており、すでに中国の展示会で3Rミニ検定を実施している。

「まず日本でモデルを作り、その延長線としてアジア全体で教育ツールとして使ってもらえるようにしたいですね。将来的には世界レベルで活用できる内容を目指していきます」(浅利さん)。

 

例題(3R検定試験問題より)

 

(1)次にあげるごみのうち、一般的に「家庭系ごみ」中の容積比で最も大きな割合を占めている物はどれか?
  1. 1.トレイ・パック、袋・包装紙などの容器・包装材
  2. 2.食料品(厨芥類)
  3. 3.文具やおもちゃなどの商品
  4. 4.ティッシュペーパーや紙おむつなどの使い捨て商品
(2)「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」の対象品目ではない物はどれか?
  1. 1.ブラウン管式テレビ
  2. 2.洗濯機
  3. 3.エアコン
  4. 4.パソコン

◎お問い合わせ先:

3R検定実行委員会事務局
TEL 075-641-3220、URL http://www.3rkentei.jp/