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「STEEL CAN AGE」Vol.23 田中律子号

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Vol.23 田中律子号
2010年2月発行

産学連携ごみ減量プロジェクト
減装(へらそう)ショッピング
中身あたりの包装が少ない商品を推奨

「NPO法人ごみじゃぱん」は2009年11月13日〜2010年11月14日の1年間、包装ごみの少ない商品を選ぶ買い物基準を普及させ、日本のごみを減量化するプロジェクト「減装ショッピング2009-2010」を実施している。
今回で3回目となる同プロジェクトは、神戸大学の学生が中心となって企画・運営し、賛同した流通やメーカーと協働で、包装を簡易化した購買スタイルを定着させるための実験を展開している。


簡易包装の価値や意義を知れば、消費行動は変わる 運営主体である「ごみじゃぱん」は2006年9月、ごみゼロパートナーシップ会議がまとめた「簡易包装普及のためのシステム検討委員会平成15年度報告書」で立てられた仮説「ごみ問題を知り、インセンティブが与えられれば、生活者(消費者)の消費行動が変わる=ごみが少ない商品選択を行う」を実証するため、有志が集まり発足した。

ごみじゃぱんが提唱する「減装ショッピング」は、ごみの問題を捨てる時ではなく、買う時から考えてもらう消費者の意識改革によって、中身が同じであれば包装ごみを減らした商品の購入を促す買い物基準を提示している。代表を務める神戸大学の石川雅紀教授は、減装ショッピング実施の経緯について次のように語る。

NPO法人ごみじゃぱん 代表理事 石川雅紀教授
NPO法人ごみじゃぱん
代表理事
神戸大学大学院
経済学研究科
石川雅紀教授
「ごみゼロパートナーシップ会議では、専門家がグループインタビューという手法で30〜40代の主婦にインタビューして、消費者の思考や心理的側面にまで踏み込んだ『簡易包装に関する消費者意識調査』を実施しました。その結果、ごみの分別や減量化に対する消費者の本音は、ルールに従っているだけで、『面倒臭い』『鬱陶しい』などの精神的苦痛を伴っていることが浮き彫りになりました。

しかし、見つかって怒られないのであれば分別しなくて良いと考えていた消費者であっても、簡易包装を選ぶことで自治体のごみ処理経費は軽減され、財政赤字が解消できることを認識・理解すると、自ら積極的に簡易包装商品を買うと回答しました。

これは非常に興味深い結果だったのですが、企業は動きませんでした。“意識調査の結果どおりに消費者は行動しない”というのがマーケティングの常識だからです。実証しなければ賛同は得られません。そこで、ごみじゃぱんを設立し、学生が主体となった手づくり感覚で社会実験を始めました」

学生の情熱が消費者と企業を動かす "第1回目の試みは07年2月1〜28日の1カ月間、神戸市東灘区のコープこうべ六甲アイランドで食品やトイレタリーなど280種類の簡易包装商品を推奨し、期間中の販売量からごみの発生抑制量を算出した。

その結果、簡易包装商品の購入によるごみの潜在削減量は年間、六甲アイランドで51t、神戸市で4,580t、全国で38万tにのぼることがわかった。また住民の買い物意識の変化を調査するアンケートでは、「簡易包装を推奨するプロジェクトに魅力を感じる」が実験前63.9%に対し、実験後には79.2%へと増加。「実験期間中に簡易包装商品を購入した」は62.8%に達した。

減装見本市の見本棚
減装見本市の見本棚
(08年5月コープこうべシーア)
続く第2回目は08年5月15日〜8月15日の3カ月間、神戸市東灘区のコープこうべとダイエーの各2店舗で1,500種類を減装商品として推奨するとともに、ごみじゃぱんメンバーは消費者に減装商品を認知してもらい購入を促すため、「減装見本市」「減装祭」といったイベントも企画した。当時の様子を事務局長の小島理沙さんは次のように振り返る。

NPO法人ごみじゃぱん 事務局長 小島理沙さん
NPO法人ごみじゃぱん
事務局長
小島理沙さん
「コープこうべシーア店内に見本棚を置きたいと考えた学生が、手書きのデザインを持参して、見本棚の材料用段ボールを提供してほしいと協賛しているレンゴーさんに交渉しました。イベント開始1カ月前という大変短い期間でしたが、設計までご協力していただき、オブジェをつくることができました」

こうしたイベント効果などによって、期間中に売れた減装商品は約17万個にも及び、売上個数は食品で8.52%、生活雑貨で14.4%増加した。

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