資源ごみは行政による分別収集だけでなく、市民による集団回収や民間事業者による拠点回収など、さまざまなルートで回収されている。今回は新たな資源ごみ回収システム構築の取り組みとして、民間廃棄物事業者が独自に自社の敷地を開放し拠点回収している2つの事例を紹介する。

CASE STUDY ① 資源ごみ買取市

地域住民サービスの一環として毎月開催

 

白井エコセンター(株)(本社・東京都千代田区)は東京都足立区の鹿浜事業所で、毎月第4日曜日に「資源ごみ買取市」を開催している。買取市は消費者が持ち込んだ資源ごみを、その場で計量し、事前に公表した単価で現金買い取りするもの。2008年8月に開始して以来、現在では地域イベントとして住民に浸透しており、2010年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰ではリデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞を受賞した。資源ごみ買取市について、同社の滝口千明社長は次のように語る。  

「当社グループは独自に国内外の調査・研究を行う中で、アメリカ・ロサンゼルスの仕組みに注目し、日本に合った資源ごみ回収システムを構築しました。地域住民サービスの一環として位置づけており、社員が荷降ろしを手伝うなど交流を大切にし、開かれた施設づくりを心がけています」

買取市の取扱品目は缶(スチール・アルミ)、古紙(新聞・雑誌・段ボール)、ペットボトル、廃食用油(植物性油)の4種類。古物営業法の規定に基づいて利用者に身分証の提示を求めており、営利目的の事業者は利用できない。開催1回当たりの利用者は約160人、回収量は15t(うちスチール缶は200kg)にのぼり、リピーター率は90%を超えるという。利用者からは「家族で出かけるとき立ち寄っています。子どもの環境教育に役立っています」「買い取ってもらったお金を寄付活動に充てることができ、大変助かります」などの声が聞かれる。

足立区では、さらなるごみの減量・資源化を推進する施策の一環として、同社の情報提供のもと、新たに別の区内リサイクル関連事業者とも連携し、「資源ごみ買取市」を6カ所で実施している。民間事業者との協働の試みについて、足立区の加藤静幸係長は次のように話す。

「資源ごみ持ち去り対策や区のごみ収集運搬コスト軽減に効果があればと期待しています。民間事業者の優れたサービスやノウハウを積極的に取り入れ、実りあるリサイクルを実現していきたいと考えています」

 

CASE STUDY ② エコ友の会

会員登録カード方式で品物や現金に還元

 

(株)フジタは静岡県伊東市の本社と資源化工場で、消費者から持ち込まれる資源ごみを年中無休で受け入れ、トイレットペーパーや有料ごみ袋などの品物、現金と交換している。取扱品目は缶(スチール・アルミ)、ペットボトル、新聞・雑誌、牛乳パック、発泡スチロール、白色トレーで、1カ月当たりの回収量は780t(うちスチール缶は15t)にのぼる。

同社の特徴は、資源ごみの量をポイント換算してカード登録する「エコ友の会」を組織している点にあり、会員数は6千人に達している。利用者からは「欲しいぶんだけ欲しいものと交換できるので便利です」「会社の忘年会の積立金としてポイントを貯めています」などの声が聞かれる。エコ友の会について、同社の斉藤聡行専務は次のように語る。

「事業系ごみのペットボトルや発泡スチロールをリサイクルするため、2004年に資源化工場を建設しました。その際、市民の皆さんに対しても、ごみをごみとして終わらせず、資源として原料化し製品に戻していく"輪"の運動を広げていきたいという目的で、エコ友の会を始めました。現在、市内スーパーマーケットとタイアップして毎月店頭回収も行っていますが、今後さらに拠点や品目を増やしていきたいと考えています」

伊東市では、ペットボトル・トレー・紙パックについては市内スーパーマーケットなどの協力のもと店頭回収が行われているものの、容器包装ごみの多くが一般可燃ごみとして焼却されている。こうした現状を踏まえ、伊東市の深沢貴久夫課長補佐は次のように話す。

「資源ごみ集団回収奨励事業を実施するなど、ごみの再資源化と減量化を推進していますが、子ども会や老人クラブなどに所属しない市民にとって、個人による搬入で換金化される同社の仕組みは、再資源化奨励の一助となっています。ごみ処理施策の実行に当たり、行政と民間事業者の協働は今後さらに必要になるものと考えています」