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「STEEL CAN AGE」Vol.25 紺野美紗子

Vol.25 紺野美紗子号
2010年8月発行

海の多様な生物を育む
"鉄のチカラ"

スチール缶や冷蔵庫・自動車・ビル・橋など、さまざまな製品に使われている"鉄"が製造される過程で生じる副産物として、「鉄鋼スラグ製品」がつくられている。鉄鋼スラグ製品は、これまでセメントや道路の路盤材などインフラ整備に広く使われてきたが、最近では海の環境再生を担う素材として注目を集めている。今回のメインレポートでは、鉄鋼スラグ製品を用いた海洋環境再生への取り組みを通じて、海の多様な生物を育む"鉄のチカラ"について紹介する。

海の砂漠化を食い止める素材として、注目される鉄鋼スラグ製品
 コンブやワカメなど海藻類が失われ不毛の状態となる磯焼け現象は、日本各地の海岸約5,000kmにわたって広がっており、現在も進行している。さらに亜熱帯の沖縄の海では、サンゴ礁が失われる白化現象が起きている。藻場やサンゴ礁は、植物プランクトンや魚介類の生息・産卵の場として、海の多様な生物を育む"ゆりかご"的な役割を果たしている。そのため磯焼けやサンゴ礁の白化といった"海の砂漠化"は、生態系の根幹を揺るがす大きな問題となっている。こうしたなか、鉄鋼業界では全国53カ所の海域で鉄鋼スラグ製品を用いた藻場造成・サンゴ再生に取り組み、海洋環境の保全を推進している(図1)。
写真2/藻場造成効果の持続性(北海道増毛町)

 日本では年間約1億tの鉄がつくられるなか、鉄鋼スラグは東京ドーム16杯分に相当する約4,000万t発生している。この鉄の副産物を利用し、高炉セメントや道路用路盤材、土壌改良材の原料など、さまざまな鉄鋼スラグ製品がつくられている。鉄鋼スラグ製品について、鐵鋼スラグ協会の正保剛氏は次のように解説する。

正保 剛氏
鐵鋼スラグ協会 調査広報委員会幹事
正保 剛氏
(住友金属工業(株)環境部環境室長)  
 「鉄の原料は海で生まれた自然素材です。太古の海は鉄分の濃度が非常に高く、光合成する生物が出す酸素によって酸化し海底に沈殿した酸化鉄が、地殻変動で隆起して鉄鉱石になったと言われています。また石灰石はサンゴなどの生物の殻が堆積してできたものです。ですから、鉄の製造過程で発生する副産物を利用してつくられる鉄鋼スラグ製品は、もともと陸や海の環境に適合しやすい資材と言えます。土木資材として"グリーン購入法指定調達製品目"に指定されており、昨年供用が開始された羽田空港新滑走路など数々のインフラ整備のほか、水田や畑でも肥料として長年使われています。そして最近、鉄鋼メーカー各社の実証実験によって、鉄鋼スラグ製品に含まれている鉄分やカルシウム成分が、海の環境修復に効果的であることがわかってきたのです」



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