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「STEEL CAN AGE」Vol.26 斉藤慶子

Vol.26 斉藤慶子号
2011年8月発行

命をつなぐ飲料
ライフライン機能を果たす

清涼飲料自販機

人は体内の20%の水分を失うと、生命の維持に支障をきたすと言われている。震災時における飲料確保の重要性は、今回の東日本大震災でも浮き彫りになった。その中で清涼飲料自販機は、被災者や帰宅困難者の水分補給を担うライフラインとして重要な機能を果たした。


被災者や帰宅困難者の水分補給拠点   2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生した。この地震で場所によっては高さ10メートル以上に及ぶ大津波が押し寄せ、東北地方の太平洋沿岸部に甚大な被害をもたらした。さらに断続的な余震や液状化現象、地盤沈下などによって、北海道から関東地方に至るまでの広い範囲で被害が発生し、各地で鉄道や道路、電気、ガス、水道、通信など各種ライフラインが寸断された。
(社)全国清涼飲料工業会 公文正人専務理事(社)全国清涼飲料工業会
公文正人専務理事


こうした震災直後の混乱下、被災地に設置されている災害対応自販機で商品の無償提供が行われた。さらに救援物資が到着するまでの間、清涼飲料自販機は缶飲料などの供給を通じて被災者の水分補給を担うライフラインとしての機能を果たすとともに、首都圏においても帰宅困難者に対しての水分供給拠点として大活躍した。今回の東日本大震災における清涼飲料自販機の概況について、(社)全国清涼飲料工業会※の公文正人専務理事は次のように語る。

「震災当日、首都圏では交通機関が一斉に停止し、遠距離を徒歩で帰宅された方は600万人にも及んだと言われています。帰宅ルートに設置されていた自販機の商品は軒並み売り切れ、貴重な水分補給拠点として機能しました。また被災地では災害対応自販機が稼働し有効活用されましたが、その一方で津波により1万台以上の自販機が流出し、がれきや海の中から多数見つかっています。自販機の冷媒として使用されているフロンは、漏出すると地球環境に大きな影響をもたらすため、当工業会では自治体と連携し確実な処理を行うべく、自治体が回収・集積している自販機をメーカー各社が自主的に回収し処分する活動を開始しています」

一刻も早く被災地に届けたい飲料400万リットルを無償提供  震災後、食品と共に飲料不足が一時深刻化した。これは飲料を供給するメーカー各社の工場や事業所なども被災したためだった。4月上旬の状況を見ると、津波被害で1階部分が冠水し製造機械が水没したA社仙台工場では、ライフラインが次第に復旧したものの、依然として製造再開の見通しは立っていなかった。飲料ライン・倉庫とも一部損壊したB社茨城工場では、製造ラインは再開したものの、自動出荷倉庫が完全復旧しておらず、部分出荷を余儀なくされていた。また各社工場が設備的に生産できる状態であっても、包装資材不足や計画停電の影響で操業に支障をきたしていた。

節電中の清涼飲料自販機
 こうした中、飲料メーカー各社は一刻も早く被災地へ飲料を届けるため、工場や事業所などの早期復旧に努める一方、被災地に向け飲料400万リットルの無償提供を独自に行った。さらに義援金については、業界(系列社を含む)全体で、今年4月上旬までに32億円、その後さらに135億円という規模で、総額167億円となる見込み。
〈災害対策自販機のイメージ例〉
災害対応自販機は、内蔵バッテリーで停電になった場合でも使用できるように工夫され、管理者の簡単な操作や遠隔操作によって、自販機内の在庫商品を無償提供するシステムになっている。飲料メーカー各社は各地の地方自治体と「災害時における飲料の提供協力に関する協定」を締結しており、庁舎や病院など公共施設を中心に全国で1万6千台が設置されている。2004年10月の新潟県中越地震や2007年4月の能登半島地震などの際にも被災地で稼働した。
災害対応自販機は、内蔵バッテリーで停電になった場合でも使用できるように工夫され、管理者の簡単な操作や遠隔操作によって、自販機内の在庫商品を無償提供するシステムになっている。飲料メーカー各社は各地の地方自治体と「災害時における飲料の提供協力に関する協定」を締結しており、庁舎や病院など公共施設を中心に全国で1万6千台が設置されている。2004年10月の新潟県中越地震や2007年4月の能登半島地震などの際にも被災地で稼働した。


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