省資源循環型社会の構築に向け社会貢献を追求する
スチール缶リサイクル協会

スチール缶リサイクル協会は1973年の設立以来、3R・環境美化を推進し、容器包装のリサイクルにかかわる八団体による自主的取り組みである「第一次自主行動計画」(2006~2010年度)では当初目標を上回る成果をあげた。2011年度よりスタートした「第二次自主行動計画」においても、事業者自らの努力はもちろんのこと、消費者・市町村・事業者の連携協力を深め、省資源循環型社会の構築に向け社会貢献を継続して追求している。

成  果

第一次自主行動計画当初目標を前倒しで達成

リデュース -1缶あたり3.41%の軽量化を実現-

スチール缶リサイクル協会は2006年3月、容器包装の素材にかかわるリサイクル八団体の一員として、実効ある容器包装リサイクル制度の構築に向けた事業者の自主的な取り組み「第一次自主行動計画」を公表した。特にリデュースとリサイクルについては、2010年度を目標年次とした数値目標を設定し、事業者として省資源循環型社会の構築に向け社会貢献を果たしていく決意を表明した。

スチール缶のリデュースは、これまでも材料である鉄を製造する鉄鋼メーカーと、鉄を使いスチール缶を製造する製缶メーカーが、内容物の安全性を維持しながら省資源・コスト削減を図るため、軽量化に取り組んできた。スチール缶は長年の材料・製缶技術の開発によって、すでに基準年度の2004年においても1缶あたりの平均重量で1970年に比べ約60%の軽量化を実現していた。技術的にはこれ以上の軽量化はなかなか難しいとされる中、省資源循環型社会構築に貢献するために、スチール缶の製造にかかわる業界が総力をあげて取り組むべく2006年日本製缶協会にスチール缶軽量化推進委員会を立ち上げ、2004年度比2%の軽量化を2010年度目標として掲げた。製缶メーカーは鉄鋼メーカーと共に絶え間ない技術革新に挑んだ。その結果、2008年度に前倒しで目標を達成、さらに2009年度には3.41%の軽量化を実現している(図1)。

リサイクル -過去最高の89.1%-

スチール缶のリサイクル率は、使用済みスチール缶の消費者による分別排出への協力、市町村による分別収集・中間処理、鉄リサイクル事業者による再資源化、鉄鋼メーカーによるスチール缶スクラップの再商品化というリサイクルシステムが確立しているため、2004年度においても87.1%に達していた。第一次計画では経済産業省の産業構造審議会ガイドラインに明記されているリサイクル率85%以上確保を2010年度目標に掲げたが、その後も高い水準を維持し、2009年度には過去最高の89.1%を記録、9年連続で85%以上を達成している(図2)。

スチール缶リサイクル協会では、実践的環境教育活動として集団回収を環境教育の一環に位置付け、資源を大切にする心や子ども同士の連帯感の育成などを行っている小中学校への表彰・支援活動を継続している。2010年度には20校の表彰・支援を行った。また地域での集団回収は、地域コミュニティ活性化・住民の環境意識の向上・社会的コストの削減・資源廃棄物の質の向上など、さまざまなメリットがある。そこでスチール缶の集団回収を行っている町内会や子ども会、商店会など地域の民間団体に対して、表彰・支援をしている。2010年度には48団体への表彰・支援を実施した。

歩  み

将来を見据え、容器包装の散乱防止と再資源化にまい進

スチール缶リサイクル協会が第一次自主行動計画で一定の成果をあげることができた背景には、長年にわたり容器包装の散乱防止と再資源化に関するさまざまな活動を展開してきた経緯がある。主な出来事をダイジェストで紹介する。

1973(昭和48)年
あき缶処理対策協会の誕生

社会貢献を誓う

缶飲料の普及に伴って、観光地や道路などでの散乱あき缶が社会問題として議論されるようになった。協会は1973(昭和48)年に「第1回観光地美化キャンペーン」を開催、翌年から「クリアランド・キャンペーン」を展開するなど、全国各地であき缶の散乱防止・環境美化を呼びかけるとともに清掃活動を実施。「あき缶を 捨てない約束 ボクとママ」「思い出と あき缶一緒に 持ち帰り」の標語が寄せられるなど、散乱防止・環境美化の輪が広がっていった。この活動は現在「散乱防止・美化キャンペーン」として引き継がれ、これまでの開催回数は484回、開催箇所は345カ所にのぼっている。

1973(昭和48)年
第1回観光地美化キャンペーンを開催

散乱防止の輪を広げる

缶飲料の普及に伴って、観光地や道路などでの散乱あき缶が社会問題として議論されるようになった。協会は1973(昭和48)年に「第1回観光地美化キャンペーン」を開催、翌年から「クリアランド・キャンペーン」を展開するなど、全国各地であき缶の散乱防止・環境美化を呼びかけるとともに清掃活動を実施。「あき缶を 捨てない約束 ボクとママ」「思い出と あき缶一緒に 持ち帰り」の標語が寄せられるなど、散乱防止・環境美化の輪が広がっていった。この活動は現在「散乱防止・美化キャンペーン」として引き継がれ、これまでの開催回数は484回、開催箇所は345カ所にのぼっている。

1975(昭和50)年
沼津市で全国初の分別収集が始まる

「混ぜればごみ、分ければ資源」の礎を築く

1975(昭和50)年に静岡県沼津市でスチール缶の分別収集が始まった。当時すでに埋立地が逼迫した市町村では、町内会や自治会を中心とした集団回収が行われていたが、市町村のフルサービスとして分別収集が実施されたのは沼津市が初めてであった。協会はこの試みの成功を願って、分別収集資源化処理システムの構築を支援。スチール缶を磁石で選別・破砕し、プレスする一連の回収処理設備機械の技術開発によって、清掃作業者の作業軽減と効率的な処理・再資源化を実現。沼津市と共に現在定着している市町村による分別収集資源化処理システムの礎を築いた。

1982(昭和57)年
スチール缶スクラップの規格化

資源の品質向上

回収されたスチール缶は当初、鉄スクラップ処理業者などから受け取りを拒否されることがあった。これには二つの理由があり、一つは分別の不徹底による銅線などの混入ともう一つは当時のスチール缶は、メッキや半田に錫が含まれていることが大きな原因となっていた。市町村に分別の徹底を協力要請するとともに、スチール缶の製造では、鉄鋼・製缶メーカーは錫を含まない缶材・製缶技術の研究を行い、開発商品化に成功した。協会は1982(昭和57)年、(社)日本鉄源協会による鉄屑統一規格の整備に協力することでスチール缶スクラップの規格化が行われ、スチール缶を「資源」として円滑にリサイクルルートに乗せることができるようになった。

1991(平成3)年
市町村等の資源化施設への支援を開始

分別収集の定着

協会は設立以来、海外に比べて人件費や流通コスト、土地代が高い日本では「市民による分別排出」「市町村による分別収集と中間処理」「鉄鋼メーカーによる買い取りと再利用」が最も適したリサイクルシステムであると確信し、全国の市町村と共に分別収集・資源化処理の普及・拡大を推進してきた。 特に1991~2000(平成3~12)年にわたり累計132市町村等の資源化施設への支援を展開することによって、現在では全国の98.7%の区市で分別収集が実施され、そのうちスチール缶を分別対象にしている区市は96.5%に達している。各市町村で家庭ごみとして分別排出すれば簡単にリサイクルされる分別収集・資源化処理システムの普及によって、スチール缶は高いリサイクル率の維持・向上が図られている。

2001(平成13)年
「まち美化ハンドブック」を発行

ポイ捨て防止からまち美化へ

あき缶の散乱防止・環境美化の活動対象は観光地だけに止まらない。市街地においても、1973(昭和48)年に「自販機からの購入実態調査と散乱防止対策」調査を神奈川県鎌倉市や東京都渋谷区で実施して以来ノウハウを蓄積。1996(平成8)年からは全国まち美化連絡会議シンポジウムへの協賛を開始、1999(平成11)年には兵庫県神戸市、神奈川県横浜市、東京都清瀬市、千葉県船橋市でのまち美化システムづくりを支援するなど、ポイ捨て防止推進からまち美化へ一貫し循環するモデルシステムづくりに取り組んできた。その集大成として2001(平成13)年に「まち美化ハンドブック」を発行。現在に至るまで市民や市町村と共に、まち美化活動に取り組んでいる。

 

始  動

第二次自主行動計画さらなる3R推進・環境美化を目指して

目標はリデュース率4%とリサイクル率85%以上の維持

スチール缶リサイクル協会は今年3月、「第二次自主行動計画」(2011~2015年度)を発表した。第二次自主行動計画の中で、リデュースについては2015年度目標でスチール缶1缶あたり4%の軽量化を目指すとともに、リサイクルについてはスチール缶リサイクル率85%以上を維持することを掲げた。さらにスチール缶を主体とした容器包装の散乱防止・環境美化、3R推進にかかわる調査研究・協力支援・普及啓発活動についても、消費者・市町村・事業者と連携した取り組みを継続していく。

次世代収集システムの構築
市町村が関与した集団回収を "協働型集団回収"と命名、推奨

中でも3R推進にかかわる多様な回収システムへの支援については、協働型集団回収の構築を推進している。協働型集団回収とは、再生資源の市場性を積極的に活用し、地域の事情に合わせ集団回収実施団体・民間回収事業者・市町村がそれぞれの役割を尊重して、スチール缶をはじめとする家庭系資源ごみを資源循環システム化していくもの。

1995年に家庭から排出されるごみの減量化と資源の有効利用を図る目的で容器包装リサイクル法(容リ法)が公布された。これにより、消費者には分別排出への協力、市町村には分別収集・処理保管の責任、容器包装製造および利用事業者には再資源化の責任が課された。そして公布10年後の容リ法見直し審議では、さまざまな問題点が顕在化した。その中で、国民の環境意識のさらなる向上の必要性や多様な回収システムの推進などが提起されたことを受け、スチール缶リサイクル協会は推奨できる次世代収集システムとして市町村が関与している集団回収に着目し、2005年度から調査・研究を進めてきた。

区市へのアンケート調査によれば、集団回収に関与している区市は約80%にのぼり増加傾向にある。区市が関与し集団回収を推進する理由については、地域住民の意識向上と地域コミュニティの再活性化、そして二次的に分別収集・処理保管コスト低減効果を目的にしていることがわかった。協働型集団回収を分別収集の補完的システムと位置づけている割合は約70%を占めているものの、現在まだ約10%程度ではあるがメインシステムとして位置づけていこうとする方向性が見られる。実施団体への奨励金や回収事業者への補助金を拠出し推進している協働型集団回収では、分別収集に比べ3分の1~10分の1のコスト低減効果があることが明らかになった

 

 

スチール缶リサイクル協会は調査結果を分析し、市町村が中心となり実施団体・回収事業者・市町村の三者が協働でシステムを立ち上げ(図3)、売却金取り扱いについては市況変動を市町村が吸収し市況変動を奨励金に随時反映させる(図4)手法が、持続的な協働型集団回収の実現に最適であると分析。実施団体・回収事業者・市町村の三者の協力体制の強化と、調整役として市町村が主導していくことが今後の協働型集団回収推進のカギを握るとの指針を提言し、その成果を2010年『集団回収マニュアル~協働型集団回収のすすめ』としてまとめた。

スチール缶リサイクル協会は、今後とも消費者・市町村・事業者の連携協力をさらに深め、省資源循環型社会の構築に向け、協働型集団回収の推進をはじめとしたさまざまな活動を展開し、社会貢献を果たしていく。

集団回収マニュアル ~協働型集団回収のすすめ

集団回収マニュアル協働型集団回収調査結果に基づいた解説セミナーを開催中

● 2010年度は東京都・京都府の2カ所で開催

● 2011年度は北海道・岡山県・福岡県・沖縄県の4カ所で開催予定(詳細は協会まで)

 

スチール缶リサイクル協会の主な取り組み

散乱防止・環境美化の推進

散乱防止・美化推進普及啓発キャンペーン活動

1973年から地域と共に実施中
開催箇所:345カ所
開催回数:484回

"まち美化推進"に協力

1996年から「全国まち美化連絡会議」に協力、シンポジウムおよび研究会を開催

 

分別排出・分別収集の推進

スチール缶の集団回収支援

町内会・子ども会などスチール缶の集団回収を実施している地域団体への表彰・支援継続中

 

セミナーの開催

2005年から実施した集団回収状況調査の結果に基づいて、「協働型集団回収セミナー」を開催

 

再資源化の推進

スチール缶を主体に分別収集・再資源化状況の調査を継続実施し、再資源化推進のための情報提供を継続中

 

 

市町村・消費者団体などでの再資源化推進のための啓発活動に協力中

環境教育・環境意識向上の推進

小中学校での優れた環境教育活動への表彰・支援事業を継続中

 

スチール缶の素材を製造している製鉄所の環境活動への理解を深めていただく見学会を実施中