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「STEEL CAN AGE」Vol.27 高橋英樹

Vol.27 高橋英樹号
2012年2月発行

ごみが流れつかない
なぎさを目指す
かながわ海岸美化財団

湘南といえば誰もが憧れを抱く魅力溢れるエリア。しかし海岸利用者の置き捨てごみや河川から流入した漂着ごみなどで海岸の環境は悪化している。湘南のなぎさを守るための活動を続ける、公益財団法人かながわ海岸美化財団の取り組みを紹介する。


官民協調の仕組み  かながわ海岸美化財団は1991年4月、神奈川県と相模湾沿岸13市町などによって個別に行われていた海岸清掃を一元化し、海岸の清掃と美化を進める広域拠点として設立された。清掃活動については県と13市町から同財団が委託され、横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸に至る約150キロの自然海岸と河川河口部、海岸砂防林内の区域で行っている。1991〜2009年までの19年間に処理した海岸ごみの量は11万5,703トン(鎌倉大仏に換算すると1,008体分)にのぼる。清掃費は県と市町が半分ずつ負担しているが、各市町は地域の海岸特性に応じた清掃の頻度と費用を選択できる仕組みとなっている。20年間の活動を振り返り、森田茂實代表理事は次のように語る。
「海岸管理者である県は、海岸ごみの約7割が河川から流れ込んでいることを踏まえ、広域自治体の立場からも理解を示し、費用を継続的に負担しています。一方、13市町は地域振興や住民利用、環境美化などの目的で負担していますが、その背景には湘南の海が持っている魅力を守るために自治体が一定の予算を使ってもいいという住民の理解があります。その中で当団体は委託された清掃事業を効率的に実施するとともに、県と市町が清掃予算を計画する際の調整にも加わっています。例えば市町側から財政が大変厳しくなったので、もう少し費用を抑えられないかという声も多く、いろいろ工夫を重ねてきました。地域ボランティアの清掃協力も大きな力になっています。こうした官民挙げての協調関係があるからこそ継続できたと考えています」

広がるボランティアの輪
海岸パトロール海岸パトロール
財団では清掃業者の現場監督、汚れた箇所の清掃、ボランティア清掃ごみの回収、ごみ清掃処理場への持ち込みなどを実施している。
海藻を除くごみの回収量は年間2,000トン前後の横ばいで推移しているが、同財団では清掃作業仕様の細分化や海岸に応じた作業員構成の見直し、海岸パトロールの強化、清掃機械の改良開発などの効率化を図ることで、清掃費を1991年の4億円から2億円(2010年)に半減させている。一方、美化活動は基本財産の利息や寄付、会費 など自主財源でまかなわれている。一斉ビーチクリーンの実施や美化団体交流会の開催など、さまざまな啓発・支援が行われた結果、ボランティア清掃参加者は1991年の5万7,000人から2010年には2.5倍の約15万人へと増加している。同財団でボランティアの調整などを務めている柱本健司氏は次のように語る。
「夏の暑さや冬の寒さにも負けず、ボランティアの皆さんは丁寧に清掃してくださいます。それにもかかわらず海岸ごみは減りません。最近では河原でバーベキューを楽しむ人たちが排出するごみが流入しています。ごみを減らすためには、川を通じて海とつながっている陸域の皆さんの協力が不可欠です。これからも広域的な連携を深めていくためのお手伝いをしていきたいですね」





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