鳥取環境大学 サステイナビリティ研究所長 特任教授 田中 勝氏

容器包装リサイクル法(容リ法)が1995年に制定され、消費者(住民)・市町村・事業者がそれぞれの役割を果たしながらリデュース・リユース・リサイクル(3R)を推進してきた。こうした中、容リ法の成果と課題が明らかとなり、2013年には2回目の容リ法見直しが検討される。ごみ処理と容器包装リサイクルの展望について、有識者・学者の立場から鳥取環境大学・田中勝教授のお考えをうかがった。

間違いだらけの3R推進にしないために

ごみ処理の基本は、公衆衛生の向上と生活環境保全を目的に、適正な処理を行うことにあります。しかし処理に必要なごみ焼却施設や埋立処分場は、周辺住民に迷惑がられる施設です。迷惑を最小限にするとともに資源保全に貢献するため、ごみ発生量を減らし、資源化量を増やし、埋立量を減らす戦略として、3Rが推進されています。

環境省が2012年3月に公表した「容器包装の3Rについての最近の取組状況」を見ると、容積比で家庭ごみの60%(1995年度)を占めていた容器包装ごみが、2010年度には50%まで低下しました(図1)。また家庭ごみの排出量もピーク時(2000年度)から947万トン減少し、1人1日当たりのごみ排出量は1キロを割りました(図2)。

しかし、こうした効果を評価することは極めて難しい現実があります。例えば3Rの推進によって住民負担はむしろ増えているかもしれません。ごみ処理費は商品価格に内包されている生産者の回収・リサイクル費用、税金で賄われている市町村のごみ処理費や、有料ごみ袋の購入費から成ります。また手間と時間をかけて徹底的に分別しても資源化されず、燃やされるケースが見受けられます。さらに世界的に見ると、発展途上国の人口増加と目覚ましい経済成長によって、資源は加速度的に消費され続けています。3Rを推進すれば資源消費が減り、ごみ量が減れば処理コストも安くなっているはずだと思って住民は協力していますが、このままでは信用を失いかねません。費用負担・安全性の確保・資源保全をバランスよく舵取りしていくことが求められています。