容器包装は私たちの暮らしを便利で豊かなものとするために考え出され、つくられ、利用されてきた。今回のクローズ・アップでは、その容器包装の進化の歴史や社会的な役割などをわかりやすく、楽しく学べる施設「容器文化ミュージアム」(東京都品川区)を紹介する。

地域に開かれた学びの場

JR山手線大崎駅と五反田駅の周辺は、かつて東京でも有数の工場地帯であった。しかし、ここ数年再開発が進み、オフィスや住居などが一体となった街づくりが活発に行われている。容器文化ミュージアムは、その東五反田地区の東洋製罐(株)東京工場跡地に建てられた同社グループ本社ビル(大崎フォレストビルディング)1階に2012年4月オープンした。ビル敷地内には多くの樹木が植えられ、"都市の森"を思わせる豊かな植栽が来訪者を迎える。1階エントランスは誰もが出入り自由な開かれた空間となっており、地域の緑あふれる憩いの場であり容器包装文化の学びの場として、容器文化ミュージアムは、地元の小中学生から一般消費者や周辺オフィス勤務の大人まで幅広く利用されている。

見て触れて遊びながら大人も夢中

容器文化ミュージアムは、6つのテーマごとにブースと壁面展示を配置し、タッチパネルモニターなどを活用して、楽しみながら容器包装の世界を理解できる工夫をしている。例えば「環境」では、タッチパネルモニター上に次々と落ちてくるさまざまな容器包装を、ごみ怪獣に食べられないよう制限時間内に素早く分別するゲームコーナーを設け、遊びながら分別の大切さを学べる。また「容器Now!」では、実物の容器包装にQRコードリーダーをかざすことで、そこに使われている技術や工夫がモニターに表示される仕組みになっており、見て触れてクイズに答えながら容器包装の進化を知ることができる。

昨年8月20・21日には周辺住民の親子を招待し、夏休みイベントを開催した。クイズラリーや体験工作などに張り切る子どもたちや、その子どもたちを手伝ううちに夢中になる父兄の方々の歓声がミュージアム内に響き渡った。また続く9月には、展示されている約100年前の自動製缶機が、国立科学博物館の「重要科学技術史資料」(未来技術遺産)に登録されるなど、開館1年目で容器包装の歴史と文化を伝える情報発信基地として高い評価を集めている。

 

感動を共にできるミュージアムを目指して

東洋製罐グループは、今日までスチールやアルミ、PET、プラスチック、紙、段ボール、ガラスといった素材で、飲料や食品、日用品、薬品など時代のニーズに応え多種多様な容器包装を製造し、"包む"技術を通じて社会に貢献してきました。

容器文化ミュージアムは、こうした当社の歩みをご理解いただく資料館、ショールーム、企業と市民との新たなコミュニケーションを生み出す場であることにとどまりません。企業の枠を越えて他社の製品・技術も展示し、容器包装業界全体を理解していただくため、多くの人々が長年培ってきた容器包装の歴史と文化を発信し、容器包装の中に込められた技術や知恵、工夫といった秘密を"ひらく"役割を担っていきたいと考えています。

そして容器包装の3Rを推進し、持続可能な循環型社会実現に向けた消費者・事業者・自治体の想いをつなぎ、感動を共にできるミュージアムを目指していきます。