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「STEEL CAN AGE」Vol.29 加山 雄三

Vol.29 加山雄三号
2013年2月発行

 2008年4月に完全施行された改正容器包装リサイクル法は、遅くとも2013年度には2度目の見直しが行われることが予想されています。容リ法は一定の成果をあげていますが、まだ課題は残されています。

 3R推進団体連絡会は「容器包装3R制度研究会」を2010年度に設置しました。私は座長として事業者だけでなく、消費者や自治体、学識者などステークホルダーを交え、現行制度の改善点や次期容リ法見直しに向けた論点を検討しました。

 研究会設置の経緯は、前回の容リ法見直しにおける環境省・経済産業省の合同審議会、および農林水産省懇談会にさかのぼります。私は合同審議会委員および懇談会座長として審議会に参加しましたが、合同審議会の委員は五十数人に及び、十分な議論を尽くすことができませんでした。一方、懇談会は人数を絞ったことで議論を深めることができました。他のステークホルダーの意見を聞くだけでなく、それに対する答えを聞き、ものの見方の違いを感じ、「合意できること」と「対立軸はどこにあるのか」を明らかにし、議論を深めていくことの重要性を痛感しました。

 研究会のメンバーはそれぞれのステークホルダーから各回15人前後に絞り、5回開催しました。テーマは「責任分担そもそも論」「プラスチックの再商品化手法の再検討」「容器包装リサイクル制度におけるEPR(拡大生産者責任)」で、議論の結果として「合意した一致点」と「合意に至らなかった点」を取りまとめました。

 責任分担では、メーカーや事業者は消費者が購買行動を変えるようなビジネスモデルを考え、消費者は環境配慮商品を積極的に受け入れることが促進されるような役割分担であるべきという議論がありました。またEPRの議論では、環境負荷や社会的コスト低減に結びつくと事業者が納得できる合理的な理由があれば、費用分担割合の変更も否ではないという意見がありました。

 研究会では関係者同士が直接意見を交わしました。そのメリットは「意見が異なるのは相手がどんな理由でそう言っているのか」「どこまで合意ができるのか」がわかることです。さらに今回誰がどう言ったかは非公開としたため安心感があり、ステークホルダーではあっても「自分は個人として実はこう思う」という意見が出ました。自分と意見の違うステークホルダーも「個人に戻るとこういう意見を持っていて、団体だからこう言っている」とわかることは、お互いの理解に大変役に立ちます。

 容器包装リサイクル法は、日本におけるリサイクルのトップバッターとしての重責があります。スチール缶リサイクル協会はリサイクルと環境美化に先駆的に取り組み、容器包装3R推進のけん引役となっています。容リ法見直しに当たりステークホルダー間で議論を深め、関係八団体全体で3R推進の取り組みを加速していくことに期待を寄せています。

いしかわ・まさのぶ/1953年兵庫県生まれ。
東京大学工学部卒業。工学博士(同大学工学系大学院化学工学専攻課程)。東京水産大学(現在の東京海洋大学)食品生産学科助教授などを経て現職。2006年には廃棄物の発生抑制を目指すNPO法人ごみじゃぱんを設立し、神戸市で大規模社会実験を展開中。
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