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「STEEL CAN AGE」Vol.30 大林 素子

Vol.30 大林 素子号
2013年8月発行
資源ごみの回収は、民間主体の回収である集団回収・拠点回収・店頭回収など、さまざまなリサイクルルートを併用することで、利便性の向上や収集の効率化、社会的コストの削減が期待できる。今回のメインレポートでは、スーパーでの店頭拠点回収にスポットを当て、多様な回収システムの一つとして、その構築の可能性を探る。

店頭回収の歩み

人々の思いがひとつになり社会システム化される

日本チェーンストア協会によると、2011年度の店頭回収はペットボトル1.5万t、トレイ1.1万t、牛乳パック1万t、アルミ缶5,000t、スチール缶800t、びん400tにのぼり、回収量の多いペットボトル、トレイ、牛乳パックの3品目が中心となっている。トレイはトレイ納品業者が帰り便で回収し、トレイメーカーでリサイクルされるルートが確立している。ペットボトルは有価で売れるようになってきたため、廃棄物処理業者が引き取った場合でもリサイクルされるようになった。牛乳パックは古紙リサイクル業者ルートで再資源化されるのが一般的だ。

国内外で啓発活動を展開

店頭回収はきれいに分別した資源物を持ち込む地域の人々と、回収ボックスを設置・管理するスーパーの人々が、それぞれの役割を担うことで、回収ルートとして確立した。その始まりは1980年代にさかのぼる。山梨県大月市の子育てを考える主婦グループが、使い捨て生活を見直し、子どもたちにものの大切さを伝えたいという思いから、84年に牛乳パックの回収を市内に呼びかけたのがきっかけとなった。翌85年には全国牛乳パックの再利用を考える連絡会が発足し、全国に牛乳パック再利用運動が広がっていった。こうした運動を受けて、各地の生活協同組合やスーパーで店頭回収が始まり、80年代後半から90年にかけて普及していった。

牛乳パックをはじめとする紙パックは、分別だけでなく、洗浄・開封・乾燥して店頭に持ち込まなければ資源とならないため、排出者にとって手間がかかる。スーパーもまた回収ボックスの設置・管理のために、通常業務以外に人と時間を提供しなければならない。しかし福祉作業所などの団体や自治体が協力するなど、リサイクルに共感する地域の人々がつながることで、店頭回収が社会システム化した。

トレイ業者トラックの帰り便を活用

同じころトレイのリサイクルに関する機運も高まった。スーパーと消費者団体の対話が行われるようになり、90年からトレイの店頭回収が始まった。トレイは排出者が使用済みトレイを洗って乾かしスーパー店頭に持ち込み、スーパーは回収ボックスを設置し、トレイ納入業者のトラックの帰り便で使用済みトレイを持ち帰るという回収システムが構築された。当時このシステムはスーパーや食料品店などで使用される簡易食品容器の専業メーカーである(株)エフピコ(本社・広島県福山市)の物流を活用することで回収コストを抑えることができ、食品トレイが食品トレイにリサイクルされる「トレー toトレーR」はエフピコ方式と呼ばれるようになり注目を集めた。現在も全国6,500ヵ所を超えるスーパー店頭で月間約500tのトレイが回収され、同社全国6工場でリサイクルされている。


行政の関与でペットボトル回収が加わる

牛乳パックやトレイの店頭回収がこうして始まると、92年ブラジルのリオデジャネイロで環境と開発に関する国連会議が開催されたのを契機に、90年代半ばから地方中堅スーパーを中心に容器包装の店頭回収が定着。その後行政の関与によってペットボトルが回収品目に加わった。ペットボトルの店頭回収は"東京ルールV"がきっかけとなった。ペットボトルの利用は80年代から90年代にかけて急速に広がったが、そのほとんどが使い捨てにされていた。ごみ問題が深刻化していた東京都では、ごみ減量のための東京ルールを考える懇談会を設置し、96年にペットボトル対策に関する東京ルールVを提言した。東京ルールVとは、緊急対応策として行政が店頭の回収拠点から中間処理施設までの運搬を暫定的に行い、販売事業者および容器・内容物メーカーなどの自主的な体制づくりに発展させていくというもので、都民と販売事業者の協力のもと97年4月からペットボトルの店頭回収が始まった。ペットボトルの店頭回収は、こうして行政による分別収集を補完するシステムとして確立し、全国に普及していった。

そして2000年に容器包装リサイクル法が完全施行されると、店頭回収は大手スーパーでも本格的に実施されるようになり、現在では回収品目の数に違いは見られるものの全国大半の小売店舗で実施されている。


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