ミュージシャン 横山 剣

クレイジーケンバンドのボーカリストで、レコード会社「ダブルジョイレコーズ」の代表取締役である横山剣さん。生まれ育った横浜を拠点に、地元に密着したさまざまな活動を行っています。2004年には、横浜市資源循環局のごみ排出量削減プロジェクトのテーマソング「いいね! 横浜G30」の作曲と歌唱を担当し、話題になりました。少々コワモテに見える横山さんですが、実は下戸のジェントルマン。そんな横山さんに、リサイクルや地球環境への思いをうかがいました。

横浜市のごみ排出量削減プロジェクトのテーマソングを担当したのは、横浜市の方からいただいたお話がきっかけでした。いわゆるキャンペーンソングなのですが、自分たちのアルバムにも収録しましたし、ライブで演奏したり、DJの方にリミックスしてもらってクラブでかかるようにしたりして、いろんなところで聞いてもらえるように工夫しました。実は、横浜市のごみ収集車でも流しているんですよ。当時、このプロジェクトはごみの削減=30%という目標があったのですが、結果的にそれを上回る50%の削減を達成したそうです。僕の歌が、多少なりとも貢献できていたらうれしいですね。

最近は、街もずいぶん綺麗になりました。それでも時々、車に乗っている時に窓から平気で灰皿の吸い殻や飲み終わった缶などを道端に捨てる無神経な人がいるのを見かけると、車を止めてお説教します。女房からは「危ないからやめて」って言われるんですけど、みんなで使っている公共の場でそういうことをするのは許せないですよね。昔は他人の子どもでも叱るのは当たり前でしたが、最近はそんなことをする人があまりいない。でも、うざいと思われても嫌われてもいいから、そういう大人がいるとピリッと締まっていいかなと。人としての義務じゃないかなと思っています。

実は、ごみについては10代の頃に思い出があるんです。当時の横浜はまだまだ汚くてね、廃墟に落書きがあったり、山下公園の海にごみがプカプカ浮かんでたりとひどいものでした。それで、仲間内みんなで街に落ちているものを自主的に拾うことを考えましてね。当時はいろいろとやんちゃしていましたから、贖罪の意識にかられたんでしょうね(笑)。今見たら驚くような髪型をしてごみ拾いをしてましたよ。

昔からバイクや車が好きで、作曲は車の運転中に思いつくことが多いですし、この8月に出した16枚目のアルバムのジャケットにも、大好きなクラシック・カーを撮影して載せました。アルファロメオの往年の名車を取り上げた「血の色のスパイダー」という曲では、歌詞の中で鉄のリサイクルについて触れています。人間も車も、歳を重ねて「タダの鉄くず」になってしまうのか、それとも「有効な廃材」としてリサイクルで生まれ変わるのか  考え方ひとつだとは思うのですが、最後に動かなくなるまで現役でいたいという思いを、その歌に込めているんです。

そう考えると、何にでも何度でもリサイクルできる「鉄」という素材は本当に素晴らしいですね。最近は堺正章さんに誘われてクラシック・カーの競技に参加しているんですが、車好きというのは、心のどこかでエコロジーに対して罪の意識があるものなんです。クラシック・カーは、もう二度と製造できない芸術品のようなもので、それを修理しながら大切に保存する一方で、排ガスの問題も抱えていますから。そんな車がリサイクルできる素材でつくられていると考えると、少しだけ気持ちが軽くなりますね。普段、家族で乗る車はハイブリッド・カーを使っていますが、地球に100%やさしい動力源が開発されるといいなとも思っています。