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「STEEL CAN AGE」Vol.35 平野 レミ

Vol.35 平野 レミ号
2016年2月発行
考え続けること、子どもの手助けをすること。

料理愛好家、タレントとして、長年、お茶の間で親しまれてきた平野レミさん。彼女の生み出すユニークで独創的なアイデアに満ちた料理レシピは、素材を大切に使い切ることをモットーとしています。そんなレミさんに、台所視点からの“リサイクル”についてお話をうかがいました。

シャンソン歌手、料理愛好家 平野 レミ

平野 レミさん

もう40年、料理愛好家という立場から、食についての活動を続けています。私が料理に向き合うようになったきっかけは子どもが生まれたとき。赤ちゃんって天使みたいにかわいくて、ひとりじゃ何もできなくて……こんなに弱い者は親が責任者としてちゃんと食べさせていかないといけませんからね。だから、頑張りました。

当時は青山に住んでいたんですけど、そのころの東京は空気が悪くてね。朝、テーブルを触るとザラザラとした汚れが手に付くくらいでした。せめて食べ物だけは良い物をと、無農薬の野菜で料理をつくっていました。まだまだ農薬の問題など知られていない時代でしたけど、信頼できる人の話を聞いて自分なりにやってきました。

今はたくさん生鮮食品が輸入されてますけど、遠くの国から運ばれてくるのにびっくりするほど安く売られてることがあるでしょ。私、あれは何かおかしいなと感じるんです。運賃を払って運ばれているものなのに日本で生産されているものより安いだなんて! しかも、わざわざ運んでくるから余計な二酸化炭素を排出しちゃってるわけでしょ? 変な話よね。だから、私は地産地消を心がけています。

聞くところによると、日本ではスチール缶を最寄りの製鉄工場で効率的にリサイクルしてるんですってね。これも地産地消ってことでしょう。ムダのない循環システムが確立されているのは本当に素晴らしいと思います。私もムダが大嫌い(笑)。たとえば野菜の皮を捨ててしまう人が多いですけれど、おいしくて栄養があるのにもったいない! 皮もおいしく食べられるレシピをたくさん考案しているので、ぜひ活用してもらいたいなと思います。

今はいろんなお惣菜をお店で売っていますけど、できたら少しでも料理を手づくりしてほしいですね。難しいことはしなくていいんです。忙しくて買い物に行けないときは、それこそ缶詰を買い置きしておけば重宝します。新鮮なうちに密封されてる缶詰は保存料を使ってなくて安心。たとえばツナ缶に薄切り玉ねぎと出汁、しょうゆ、みりん、砂糖を加えて煮詰めて、最後に溶き卵を回し入れてごはんにのせたら、それはそれはおいしいどんぶりができます。

食べ物というのは絆なんです。つくったごはんを一緒に食べることで、子どもが大きくなっても“おふくろの味”を覚えてくれる。それが遺伝子のように孫や曾孫へと引き継がれていくものだと思います。これがレトルトの“袋の味”だったら、よそのお宅もみんな同じになっちゃうでしょ。お母さんが台所でごはんをつくることは本当に大事なことで、それが平和な家庭の基本です。お隣のお家も、そのお隣のお家も平和だったら、世の中が平和になるんじゃないかしら。かけがえのない命を、そうやって守り継いでいってほしいと思います。

: PROFILE :
シャンソン歌手、料理愛好家。フランス文学者、平野威馬雄氏の長女として東京に生まれる 。NHK『きょうの料理』などテレビ、ラジオ、講演などで活躍する一方、自らキッチングッズの開発を手がける。食育アプリ「Mrs.remmyのタッチフード」や140字レシピも人気。近著に『平野レミのしあわせレシピ』(自由国民社)、『嫁姑ごはん物語』(和田明日香との共著/セブン&アイ出版)など。

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