昔はあまり馴染みのなかったハロウィンだが、ここ数年で仮装イベントとして定着した。なかでも東京・渋谷では、大勢の若者や観光客が集まってにぎわう一方、ポイ捨てされた散乱ごみが社会問題化している。クリーンなハロウィンを目指した渋谷の取り組みを紹介する。

カボチャのごみ袋でオシャレに支援

2016年のハロウィンは、金曜日となった10月28日から月曜日の31日にかけて、若者たちの熱狂が最高潮に達した。散乱ごみ問題については2015年から東京都、渋谷区、そしてボランティアがそれぞれの役割を担ってきた。

東京都では半透明のポリエチレン製90リットルごみ袋を作成した。ごみ袋は、ごみを拾って詰めていくと膨らんで、カボチャのお化けとなるようにデザインされている。ごみを拾うほど、渋谷の街中がきれいになり、カボチャのお化けであふれることになる。若者たちの好奇心やオシャレ心をくすぐり、ごみ拾い活動への参加を促す工夫がされている。ごみ袋は10月28日と29日に渋谷のモヤイ像周辺、渋谷マークシティ前、宮益坂下周辺、渋谷109正面入口の4ヵ所をはじめ、六本木や東京スカイツリー、お台場、池袋、多摩センターの都内各所でも配布提供された。

また渋谷区では、エコステーションの設置・運営から清掃ボランティア参加の声かけ、ごみの分別収集、街の安全管理までを担った。エコステーションは10月28日と29日に燃えるごみ、燃えないごみ、びん、缶、ペットボトル、スプレー缶の6分別の回収ボックスをハチ公前広場、宇田川交番前、西武百貨店A館前、東急百貨店本店前に設置し、ポイ捨て防止とエコステーションの利用を呼びかけた。また10月29日から11月1日に実施された清掃活動に参加したボランティアに対して、ごみ袋の提供、トングや軍手などごみ拾いアイテムの貸出、ごみ集積場所の提供で、ごみ拾い活動を支援した。

キレイでカッコいい渋谷であり続けるために

多くの清掃ボランティアが参加するなか、地元の渋谷区で2003年からごみ拾い活動を続けるNPO法人グリーンバードもまた10月29日と30日の朝7時から清掃活動を行った。

「“ごみ拾いをした人は二度とポイ捨てしない”という法則があります。だから下を向いて黙々とごみ拾いだけするのではなく、顔を上げて楽しくごみ拾いしている姿をアピールして、一人でも多くの人たちに参加してもらうよう啓発することを大切にしています。そういう意味でハロウィンは絶好の機会と捉えています」(グリーンバード・秋山公汰郎さん)

清掃ボランティアにはグリーンバードから101人が集まり、2チームに分かれて、センター街から宇田川町、駅前スクランブル交差点を経て、ごみ集積所のある宮下公園まで、1時間かけてごみを回収した。ポイ捨てされたごみは、缶チューハイや缶ビール、びんビールやワインボトルといったアルコール飲料容器が目立った。またコンビニなどでコーヒーや食べ物を買って、路上で飲み食いしたあとの包装袋やプラカップの散乱も多かった。タバコの吸い殻は排水溝などの目立たないところに捨てられるのに対して、ペットボトルや缶、びんは郵便ポストや段差のある高いところにディスプレイのように置き去りにされるパターンも目立った。

「さすがに目の前でポイ捨てする人はいませんでしたが、『捨てておいて』とごみを渡されました。そんな人も一緒にごみ拾いしてもらえるようになるとうれしいですね。私は大学で都市コミュニケーション論を学んでいますが、ごみ拾い活動を通して、いろいろな人たちと出会い、視野が広がり、参加して良かったと感じています」(グリーンバード・竹下紗葵さん)

グリーバードをはじめ多くの清掃ボランティアのごみ拾い活動によって、渋谷区では2016年のハロウィン期間中90リットル718袋分5,518キロのごみを分別収集した。内訳は可燃ごみ2,639キロ、不燃ごみ632キロ、びん1,470キロ、缶430キロ、ペットボトル346キロだった。これらのごみは通常どおり渋谷区によって清掃工場や中間処理施設に送られ、スチール缶はリサイクルされた。