日本を代表する観光のまち京都。京都市まちの美化推進事業団では市民と事業者、行政と協働して、世界一美しいまち・京都を実現するため、美化活動に取り組んでいる。

市民と企業と行政を結び付け、地域力を活かす

四季折々の美しい風景、歴史ある寺院や神社をはじめ町家、着物、京料理など、日本文化の象徴と言える京都は、国内外を問わず多くの人々を魅了している。京都市を訪れる観光客は近年も増え続けており、2008年には年間5,000万人の大台を突破した。

さまざまな人々が集まる観光地では、ポイ捨てされたごみの散乱が大きな問題となる。京都市では1981年10月に「京都市飲料容器の散乱の防止及び再資源化の促進に関する条例(空き缶条例)」を制定した。本格的な空き缶条例は全国初の試みだった。82年4月の条例施行に伴って同年8月、京都市まちの美化推進事業団の前身である京都市環境美化事業団が設立され、10月に嵯峨野地域と鳥居本周辺で一斉清掃を実施した。

「当初はあき缶がメインでしたが、ペットボトルやたばこの吸い殻、弁当容器などあき缶以外の散乱ごみが年々顕在化していきました。そこでまちの美化をさらに推進するため、1997年に『京都市美化の推進及び飲料容器に係る資源の有効利用の促進に関する条例(美化推進条例)』が制定されました。コンビニやたばこなどの事業者による、京都市美化推進協会が翌98年に設立され、2002年11月には京都市環境美化事業団と京都市美化推進協会が統合し、現在の事業団が発足しました。行政と事業者、地域住民の皆様と一体となって、京都の地域力を活かした美化活動に取り組んでいます」(事務局・林智裕さん)

年間96回延べ1万7,001人が26.88tのごみを回収

2016年度の事業団の清掃活動では、実施回数96回(雨天中止9回)、参加人数が延べ1万7,001人、回収したごみ量が26.88tにのぼった。定例清掃は月4回毎週火曜日(第5週を除く)、第1週が油小路北部区域、第2週がJR京都駅八条口周辺、第3週が油小路区域、第4週が四条大宮周辺と4つの美化推進強化区域で行われている。さらに京都さくらよさこい、祇園祭後祭、京都・東山花灯路の観光行事に協賛し、美化活動を実施。京都市主催の市内観光地や繁華街を散策しながら清掃活動を行う友・遊・美化パスポート事業(市民対象)、一日美化パスポート事業(観光客・修学旅行生などを対象)に協賛。17年11月には、20年の節目を迎えた京都・まち美化大作戦におよそ3,000人が参加して、梅小路公園で清掃活動を含むまち美化の祭典が行われた。

「京都駅周辺では清掃するにもごみが以前ほど落ちていないので、清掃コースを増やしてほしいというボランティアの皆様からのご意見まで聞かれるくらい改善されました。長年の地道な活動の成果が現れています。残念ながら中央分離帯の植栽など目立ちにくいところへのポイ捨ては依然としてなくなりませんが、拾っている姿を見ていただくことで、まち全体のモラルを高め、ポイ捨てがなくなるように皆様と共に活動の輪を広げ、世界一美しいまち・京都を目指していきます」(多和田美和事務局長)

散乱ごみの発生源をなくすための啓発活動

事業団では清掃活動とともに、啓発活動にも取り組んでいる。清掃活動と併せて美化を呼びかけるとともに、美化啓発ポスターの作製、観光情報誌などへの広告掲載、固定式啓発看板の掲示、街頭ごみ容器の設置などを行っている。

「ごみを持ち帰っていただく啓発活動にも取り組んでいます。散乱ごみをなくす第一歩として、持ち帰り啓発ごみ袋を作製しました。清水や嵐山では、観光案内所やコンビニ店頭など会員のご協力のもと、持ち帰りごみ袋を置いていただき、観光客の皆様に食べ歩きで発生するごみをポイ捨てするのではなく、持ち帰っていただくようにご協力をお願いしています。拾うことも大事ですが、散乱ごみの発生源をなくす努力も行い、一層のまち美化に努めています」(事務局・畑中健一さん)