「2018 CAN ART Festival(キャンアートフェスティバル)」が2018年9月22~24日の3日間、北海道小樽市の観光物産プラザ(通称・運河プラザ)三番庫で開催された。1993年以来四半世紀にわたり北海製罐(株)が環境啓発活動の一環として毎年実施しており、スチール缶リサイクル協会も協賛している。2018年も楽しく創造性豊かな“あき容器アート”を通じて、あき容器のポイ捨てをなくし、分別処理やリサイクルの大切さをアピールした。

シャンシャンの誕生を記念して2018年は親子パンダが主役

CAN ART Festivalの大きな特長は、リサイクルと創造する楽しみを組み合わせた北海製罐独自のリサイクル活動で、アートとして再利用された使用済みのスチール缶やペットボトルを通して、リサイクルの重要性を理解していただくとともに、環境保護について考えていただく機会となるよう工夫を凝らしている点にある。会場中央に設置されるオブジェは、北海製罐の社員が毎年テーマを考え、材料となる使用済みスチール缶やペットボトルを社内回収して、オブジェを設計・制作している。2018年は「運河プラザにパンダがやってきた?!」と題して、パンダをつくった。

「いつも毎年1月くらいから社内でテーマを募集し、3月ごろに制作物を決めます。ちょうど今回は、東京・上野動物園で2017年に誕生したシャンシャンが竹や笹を食べる愛らしい姿が連日テレビで流れていました。来場者の皆さんにも親しんで見ていただけると感じ、パンダづくりに挑戦しました。4月ごろに設計、5月ごろから制作に入りますが、全て通常業務の終了後、安全・環境対策グループを中心に有志が集まり、ボランティアで取り組んでいます」(北海製罐・佐藤文哉マネジャー)

無数のテクノロジーが詰まっているスチール缶だからこそアートを創造できる

北海製罐の各工場で集めたスチール缶700缶、ペットボトル100本を再利用して、親子パンダが暮らす森を再現した。親子パンダにはスチール缶、笹や枝・葉っぱにはペットボトルのラベルが使われている。パンダの顔や胴体に丸みを表現するために製缶加工技術が、また、多くの人の目を引きつける白と黒に分かれた特有の模様を愛らしく表現するために製缶デザイン工学が駆使されている。金属加工技術、金属材料学、食品衛生学、金属防蝕技術、人間工学、デザイン工学など、スチール缶には無数のテクノロジーが詰まっているからこそ、アートを創造することもできるのだ。

親子パンダのオブジェは埼玉県さいたま市の中央研究所で8月に完成すると、小樽市までパーツごとに運び、会場の運河プラザで組み立てて飾った。運河プラザは歴史的建造物に指定された旧小樽倉庫を利用した施設で、地場産品を購入できるお土産処、喫茶コーナーでひと休みできる休憩所、観光の見どころをチェックできる観光案内所としての機能を果たしており、多くの観光客が訪れる。CAN ART Festivalは毎年9月連休に合わせて開催され、恒例の人気フェスティバルとなっている。今回は木々に見え隠れしている小さなパンダの数を当てるクイズが行われ、来場者を楽しませた。

「毎年あき容器を使って何日もかけて一生懸命に制作し、大きな作品ができ上がります。2~3日という短い期間だけの公開ですが、使用済みスチール缶を使ったアート作品に感動していただくことで、あき容器のポイ捨てをなくし、分別処理やリサイクルの大切さなど、身近な環境問題について再認識していただきたいですね。その願いが通じるように、毎年完成度の高い作品を目指してオブジェをつくっています。今年も9月の連休に開催します。どうぞ小樽観光の1つに入れて、遊びにきてください」(佐藤マネジャー)