「ごみ清掃員芸人」の異名を持つマシンガンズ滝沢秀一さん。
生活のためにごみ清掃員の仕事を始めたことで気づいたごみの問題について、お話を伺いました。

ごみ清掃員の仕事は肉体的にハードです。まちの集積所から集積所へ収集車と一緒に走って、重たいごみを手際良く次々と積み入れていく作業の繰り返しです。夏は熱中症で倒れる清掃員もいます。朝5時に起きて6時半には出社です。そして8時から収集作業が始まり、夕方4時くらいにすべての業務を終えます。芸人としての仕事がない日は、こんな毎日が続きます。

体もきついし、本当は芸人をやりたい。そう思いながら清掃員をしていましたが、今まで知らなかった世界なんだから、いろいろ勉強したり楽しんだりしたほうがいいなと思うようになりました。そのきっかけは職場での会話でした。

ある日、収集車のドライバーが「中防もあと50年だからな」とつぶやきました。「チューボーって、なんですか? あと50年って、どういうことですか?」と尋ねたら、「中央防波堤埋立処分場の寿命があと50年と言われている。そこが満杯になったら、どこにごみを運んだらいいのか、わかんないんだよ」と教えてくれました。驚いて自分で調べたところ、そのとおりでした。ごみって大変な問題なんだと気づきました。それから、ごみを汚く出す人って、どうしてなんだろうと人の気持ちまで考えるようになりました。

ごみは人の心を現す鑑です。集積所にきちんと分別されてごみが出されていると、分別していないごみを出しにくいものです。でも分別されていなければ、自分も分別せずに捨ててかまわないと思うようになります。ペットボトルのラベルが剥がされていなかったり飲み残しのままだったり、猫のえさが食べ残されたままの缶が捨てられるようになります。こうなると集積所から強烈な臭いが漂うようになり、資源としてリサイクルもできません。僕も清掃員になる前、妻にトレーは水洗いしてからごみ出しするようにと言われたから、言うとおりにしていただけで、水洗いしなければどうなるのかということまで想像できませんでした。

そこで僕から提案があります。「4R」の実践です。ごみの発生を抑制するReduce(リデュース)、再利用するReuse(リユース)、再び資源として利用するRecycle(リサイクル)の3Rに加えて、もう1つは思いやるRespect(リスペクト)です。例えば最近、食品ロスが問題になっています。食べ物にはつくる人たちの思いやこだわり、苦労が詰まっています。食べることは動植物の命をいただくことで成り立っています。まだ世界には飢えに苦しんでいる人たちがいます。食べ物に対して感謝する。つくった人たちに敬意を払う。食べられるのに捨てられてしまうとどうなるのだろうと考える。このように人のことや見えないものを思いやることって、成熟した社会だと思いませんか? これからも僕なりに知っていることを、まだ知らない人たち、特に子どもたちに向けて伝えていきたいと思っています。