第3回
スチール缶フリーデザインコンクール
「夢」を持って環境を考える時代へ
昨年12月28日にホテルオークラ(東京都・港区)で行われた表彰式では、各賞の表彰に引き続き、スチール缶リサイクルの意義やプロセスを解説したビデオを上映。受賞者全員が真剣にスクリーンを見つめ、リサイクルの重要性を改めて認識する式典となった。
ここでは、見城美枝子さんの講評と、コンクール上位入賞者10名の作品およびそこに込められた思いを紹介しよう。
東京都立大学付属高等学校2年
都田帆夏(とだはるか)さん
「自分はどんなジュースを飲んでみたいだろうと考えて、飲むだけで英語が話せたら便利だなぁ…と思いついたのがこの缶です。英語だけでなく、仏語や中国語や世界各国の言葉が話せたら楽しいと思い、パッケージを国旗のデザインにしてみました」
高校部門
千葉県立市川工業高等学校2年
横山由佳(よこやまゆか)さん
「この缶は、中の飲み物を飲んでいくと周りの柄がどんどん変わっていって、数分で楽しめるような内容の本や映画を読んだりすることができます。また、飲み終わった後もそのままポイ捨てしないように、缶が本や映画の割引券としても使えるように工夫しました」
中学校部門
秋田県大仙市立西仙北東中学校2年
加藤恭介(かとうきょうすけ)くん
「缶の下についているレバーを動かすと、買った後でも甘さが変えられます。コーヒーは甘さですが、オレンジジュースなどは酸味など、その飲み物によって変えられる設定が違います」
小学校部門
静岡県浜松市立上島小学校2年
大倉園夏(おおくらそのか)さん
「妹と私はよくお人形で着せ替え遊びをします。その時、色々な服を人形に着せるのがおもしろいなと思いました。だから着せ替え缶を思いつきました。色々な缶を買って、顔、シャツ、スカート、くつを順番に並べておしゃれを競うこともできます」
東京都世田谷区立弦巻中学校2年
江島郁子(えしまいくこ)さん
「このデザインはコンビーフの缶の形を見て思いつきました。私には『とび箱』の形にも見えたので外見はこのデザインにし、中身(缶詰の中の魚が勢いよく飛び跳ねている)は同じ『とび』という言葉が付く『トビウオ』にしました」
大阪府清風学園清風中学校2年
大野健勇(おおのたけお)くん(アトリエ小川)
「僕は缶も楽しめる缶ジュースがあればいいなと思いこの缶ジュースを考えました。かき方も工夫して点画にしてみました。ルービックキューブ形の上の段を解くとジュースが飲めるようになり、下の段を解くと別の種類のジュースが飲めます」
千葉県筑波大学附属聾学校中学部1年
神崎公平(かんざきこうへい)くん
「僕はユニバーサルデザインをテーマにデザインを考えました。お年寄りの方でも開けやすいよう、タブに『てこ』の原理を取り入れ、すべり落ちないよう缶に凸凹をつけました。缶の色は心が温まるような色を使おうと思い、オレンジ色にしました」
大阪府太子町立磯長小学校4年
國本芙花(くにもとふうか)さん(山本絵画教室
「この缶(色々な動物の形をした缶が積み重なっている)は一つ一つはずしてみんなで楽しむことができます。審査員の人たちに、私の思いが伝わったのかなあ、と思ってドキドキしました」
千葉県市川市立平田小学校6年
森川大地(もりかわだいち)くん
「僕はリサイクルについて考えてかきました。スチール缶はポイ捨てなどをして捨てられると再利用できなくなり、環境も悪くなります。買った人が喜んでくれる缶だったらポイ捨てされないのではないかと思い、楽しい絵の缶を作りました」
福島県郡山市立富田西小学校3年
渡辺知樹(わたなべともき)くん
「缶の名前は『スペースジェット』です。この缶の中には、僕の好きな味のジュースを入れて欲しいな。宇宙で食べるラーメンや宇宙で育てる金魚が入っていたらもっと楽しいし、本物の隕石やロケットだったら最高だなと、色々考えながらデザインしました」