息子はスチール缶が大好きなんです。
タレント 大東 めぐみ
「家庭の省エネエキスパート検定」は、例えばこの照明は一つで大丈夫ですよとか、冷蔵庫を買い換えると電気代がこれくらいになりますよと、家庭の省エネ・エコ診断ができる資格です。きっかけは東日本大震災です。家を建てる計画をしていた矢先で、ライフラインが止まる恐怖と不安を実感し、災害時に家族を守れる家、小さくても自然エネルギーを活用するスマートハウスのような家を目指そうと色々と調べていたときにこの資格があることを知りました。
それまでは、掃除機は“強”が当たり前。エアコンは18℃でスタートして冷えたら調節するといった暮らし方。でも今は、エネファームと太陽光発電を設置し、エネルギーモニターで現在の消費電力量が一目でわかることもあり、そんな恐ろしいことはしなくなりました(笑)。
例えば、コンセントを抜いたほうがいいと言われてもピンとこなかったけれど、実際に使わない電化製品の電源を切ったりコンセントを抜いてみると、トータルで(100W)ほど節電できることがあるんです。一番変わったのは子どもたち。いくら言ってもつけっぱなしが多かったのに、今は電気をつけてはモニターをチェックし、消してはモニターをチェックしています。電気を使っていることが実感できるので“もったいない”がわかるようになりましたし、電気を使う際の優先順位も身についてきました。
エネルギーモニターは節電に効果的ですが、なくても節電はできます。例えばコンセントを一つ抜くだけでもエコの実践。家族が一つの部屋に集まることもエコですし、電化製品を買う際に、最大電力量と待機電力量の少ないものを選ぶのも一つの方法です。納得して買えば洗濯機を遠慮なく何回も回せます(笑)。
他にも炊飯器で4時間以上保温するなら、冷凍して温め直したほうが美味しくて電気代もかかりませんし、10年以上使っている電化製品は買い換えると驚くほど電気代が安くなります。ぜひ試してほしいのが「エコボタン」。例えば掃除機は“強”でなくても十分ごみを吸ってくれます。
スチール缶はまた鉄として使えるんですよね。息子は電車の車輪と線路が大好きで、品川駅の東海道線ホームに展示してある大きな車輪を見ながら「硬い缶がこの車輪や線路になっているんだよ」と話したらとても驚いたようで、それ以来、スチール缶をとても大切にしています。「おうちに返してあげるよ」と言いながらスチール缶をごみ箱に入れることもあります。
以上のリサイクル率ということは知っていましたが、素材から鉄を作るよりスチール缶から作ったほうがエネルギーもCO2排出量も大幅に少ないとは知りませんでした。それはもう絶対にリサイクルが大切ですね。
暑い季節、飲み物を買う機会が増えますが、飲み終わったらきちんと戻して循環させる姿を、大人が子どもに見せることが大切だと思います。私は勝手に“エコ育”と呼んでいますが、一人でも多く、エネルギーの素養やリサイクルに対する気持ちを身につけた子どもが育っていけば、大きな発電所1機分くらいは節電できると思っているんです。それを実現させるのが目標です。
愛知県生まれ。1988年デビュー、タレントとして活躍。1998年大阪近鉄バファローズ(当時)大久保秀昭選手(現JX日鉱日石エネルギー野球部 JX-ENEOS監督)と結婚。同年、長男を出産。仕事と家庭を両立させながらテレビのコメンテーターやレポーターとして活躍。近年は、子育て支援やエコ生活・再生エネルギーに関する講演会を勢力的に実施。親学アドバイザー認定(親学推進協会)、家庭の省エネエキスパート検定合格(省エネルギーセンター)。